えー、今回は、10年物理やった人として、量子コンピュータについて分かりやすく書いてみようと思うよ。(二十年前から言われてたけど、なんか進歩あったのかね。)

 

まず、何がすごいのかだけど、従来のノイマン式コンピュータに比べて、計算速度・処理能力が圧倒的に高い。グーグルによると、最先端のスパコンで約一万年かかる計算を量子コンピュータなら三分二十秒で終わらせるそう。

 

例えば、四桁ダイアルの暗証番号を解読せよといった場合に、ノイマン式コンピュータだと0000,0001,0002,...としらみつぶしに試すことになるけど、量子コンピュータだと一回の処理で答えを出してくれるみたい。(計算が速いとかいう次元ではなくて一瞬で答えが出る。)

 

じゃあなぜ、そのようなことが可能なのかというと、ノイマン式コンピュータの情報処理の単位はビットだけど、これは0か1の二つの状態しかとれない。しかし量子コンピュータの情報処理の単位である量子ビットは0でもあり1でもある状態を持てる。(量子の世界では同時に二つ以上の状態をとれるんだ。ごめん、ここは認めて。)

 

じゃあなぜ0でもあり1でもある状態をつくることに意味があるのか?それは例えば通常の4ビットの場合、0000から1111まで16通りの組み合わせがあり、何か処理をするのに16回の計算が必要。一方、量子ビットの4ビットでは「0であり、かつ1でもある」という状態を利用して16通りをいっぺんに表せる。10量子ビットなら1024通り、50量子ビットなら1125兆通りを一度に扱えるんだ。(量子の世界では同時に二つの状態をとれるから。)

 

じゃあ実際にどのように計算しているか。計算前はオール0の状態で、計算中はそこにマイクロ波をあてて、量子ビットを操作する。そして、計算結果が0か1に確定する。

 

じゃあ答えはどんな形で導くのか。あるアルゴリズムに基づいて量子ビットを操作(ゲート操作)するよう。(ここから先は勘弁してね。)

 

現行の量子コンピュータは、大別して二種類の作り方があるんだ。一つはゲート方式で、暗号解読に使われるととんでもないことになると言われているのがこちらの方式。複数の状態を重ね合わせる量子ビットもこのタイプで利用される。しかし、研究が進みながらも、まだ実用レベルまで達していないのが現状だ。

もう一つが量子アニーリング方式で、用途も非常に限定的で、しかも超低温状態にしなければ作動しない。しかし、できることが限られている反面シンプルで組み合わせを最適化する問題に適していると言われている。

ゲート式では、まずアルゴリズムを書いてやりたいことを実行させる必要があるけど、量子アニーリング方式ではパラメータを設定するだけ。

 

以下は参考。

量子アニーリング方式は、組合せ最適化問題に特化した量子アルゴリズムの一つ。量子力学的に相関をもつ多数の量子ビットを制御し、同時に複数の状態をとる量子ビットが、自ずから、もっともエネルギーが低い状態に変化する現象を利用することで、最適化問題を解く手法。

2007年以前は、量子コンピュータといえば、量子ゲート方式を指していました。素因数分解が早くできるのは量子ゲート方式の話です。ノイマン式コンピュータが、AND, OR, NOTなどのゲートの組み合わせによっていかなる計算も実現できるように、アダマールゲート、回転ゲート、制御NOTゲートという3種類のゲートがあれば、いかなる量子計算も行えます。これらのゲートの組み合わせによって、汎用的な量子計算を行おう、というのが量子ゲート方式です。

 

量子コンピュータは、材料(化学品)の分野で活躍が期待されているそう。

 

ただ、量子コンピュータの最大の欠点として、解ける問題が限られていること。暗号解読や素因数分解のような計算は圧倒的に凄いけど、他の計算ができないそう。(これって、使えなくないですか。)

 

また課題として、まず、量子ビットを増やす必要があるそうです。今のゲート方式の量子コンピュータで50くらいでこれを百万、一億くらいに増やす必要があるよう。そして、量子の重ね合わせもつれなどを起こして計算する際にエラーが生じる課題を解決する必要があるそう。

 

最後まで読んでくれてありがとう。これが今の自分の限界。