本日

重要文化財 旧金毘羅大芝居 耐震対策工事 安全祈願祭を
執り行いました。

本年10月から令和4年3月までの工期となります。

しかしながら、

コロナ禍の中、本工事に影響が出て、
工事が遅延すると、
春の歌舞伎公演に開催に支障が出る可能性が高いことから

来春の四国こんぴら歌舞伎大芝居公演 開催見送りをして

工期を短縮して

より安心安全に歌舞伎公演を行なうことを
決断いたしました。


今春も中止となり

2年続いて開催できないことに対し

こんぴら歌舞伎ファンや

地元の皆さんに対し

心から申し訳ない気持ちです。

諸事情をご理解いただきまして

再び満員の金丸座での

歓声や拍手喝采を

期待して

こんぴら歌舞伎の灯を消さないよう

推進してまいります。

よろしくお願いします。

琴平町長 片岡英樹





重要文化財 旧金毘羅大芝居耐震対策工事

安全祈願祭 発注者挨拶

 

工事発注者 琴平町を代表いたしまして、挨拶申し上げます。

本日は、何かとお忙しいにもかかわらず、「重要文化財 旧金毘羅大芝居 耐震対策工事安全祈願祭」にご参列いただきまして、ありがとうございます。おかげをいただきまして、式典を滞りなく収めることができました。また、本来ならば、多くの方々にご参列ご案内をするところではございますが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、ご案内は一部の団体の方やご代表の方に限定させていただき、縮小しての開催となりましたことをご了解願います。

今回の「令和の耐震対策工事」は、設計・監理を公益財団法人 文化財建造物保存技術協会様に、工事の施工を、株式会社 藤木工務店 四国支店様にお願いしております。どうか本工事の目的を達成し、地元近隣へのご配慮をいただきながら、安全なる工事を全ういただきますよう、よろしくお願いいたします。

さて、この重要文化財 旧金毘羅大芝居の歴史を申し上げますと、江戸時代に「さぬきのこんぴらさん」と親しまれました庶民信仰により、全国から多くの参拝客が訪れ、こんぴらさんの門前町として大いににぎわいました。そんな中で、芝居人気により、今から185年前の天保6年、1835年に、この常小屋「金毘羅大芝居」は建てられ、今では、現存する日本最古の本格的芝居小屋となっております。小屋の名称は所有者が変わるたびに変更となり、明治33年に「金丸座」と改名されてから、現在までこの愛称でも親しまれております。

時は流れ、小屋の保存を強く願う地元の方々の再興運動により、国を動かし、昭和45年に「旧金毘羅大芝居」として国の重要文化財に指定されました。また、昭和47年から4年の歳月をかけて、現在の場所に移築復元されました。

そして、この小屋で再び歌舞伎公演を復活させたいという、歌舞伎俳優さんや地元の関係者の熱意により、昭和60年、第1回目の「四国こんぴら歌舞伎大芝居公演」の開催が実現いたしました。江戸の芝居小屋での 江戸の歌舞伎がみられると、多くのこんぴら歌舞伎ファンに愛される小屋となり、これまで毎年開催され、同時に、文化財を活用しながら保存する先進地として、琴平町の認知度をいっそう高めてまいりました。

その後、「平成の大改修」として、一部の軸部材や壁に捻れ(ねじ)や亀裂が発生したことから、建物の健全性と耐震性能についての調査工事が行われ、平場の小屋組を強化して 建物全体の耐震性能を向上させるとともに、大梁(おおばり)の支柱を撤去し、平場及び(むこう)桟敷(さじき)に「ブドウ棚」を、花道の上に「かけすじ」など、江戸当時の機構仕組みを復元する工事を平成15年に実施したしました。

 

さて、今回の「令和の耐震工事」につきまして申し上げます。 平成30年度から令和元年度に実施いたしました耐震診断を、重要文化財(建造物)耐震診断指針及び重要文化財(建造物)基礎診断実施要領に基づいて行いました。診断結果として、耐震性能が不足していることが判明したため、必要な耐震補強を行うものであります。

主な補強内容については、「基礎補強」、「壁面鉄骨補強」、「壁面合板補強」、「2階床面水平構面補強」及び「屋根水平構面補強」の5つの補強を実施いたします。これは、建物全体の剛性(ごうせい)を確保し耐震性能の向上を図るものです。

この耐震対策工事により、より安心安全な芝居小屋となり、結果として重要文化財を活用しながら保存を、いっそう推進してきたいと考えております。

 なお、当初予定では、4月に文化庁調査官にご指導をいただき、今年の「四国こんぴら歌舞伎大芝居」終了後に工事に取り掛かる予定でありました。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今年の歌舞伎公演は中止となり、また首都圏からの関係者の来町が困難となり、現地での指導や打ち合わせが延期となり、全ての計画に大幅な遅れが生じております。なんとか来月から本格的に工事に取り掛かり、令和3年度中には工事が終えるよう、調整を行っているところであります。

また、当初は、工事現場も見学できるように計画しておりましたが、先に申しましたように、工事完了を優先するため10月1日から工事完了までの期間中は、小屋の見学はお休みとさせていただきます。

 あわせて、工事期間中には、ご近所の皆様には、何かとご不便、ご迷惑をおかけすることとなりますが、ご理解の上ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 縷々申し上げましたが、いずれにいたしましても、この「旧金毘羅大芝居」は、江戸の御代から今日まで、先人のご苦労と熱い思いを「絆」として引き継ぎながら、大切に大切に守ってまいりました「宝」でございます。他の市町村には無い、羨ましがれる日本唯一無二の「宝」でございます。私たちはこの宝を、後世に永く永く残していくことが使命であると考えております。

 この工事が完了いたしました暁には、多くの皆さまとともに、耐震強化された旧金毘羅大芝居 金丸座のこけら落とし、お披露目を盛り上げたく、それまで楽しみにお待ちいただきたいとお願い申し上げ、この前代未聞の新型コロナ不況に対し、ご参列の皆様や町民が打ち勝てることを祈念いたしまして、発注者の挨拶といたします。
令和2年9月29日  琴平町長 片岡英樹

 本日は、誠にありがとうございました    
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