先日、夕刻にお客様がいらっしゃいました。

 

 ちょっと面白いお客様で、いつも夕刻にビールを少し持ってきておしゃべりをして帰られます。

 

 先日は、友人の方も連れてこられました。

 

 同好の士とお酒など飲みながらおしゃべりするのは大変楽しいですね。

 

 その時は何も感じなかったのですが、1日2日と経って、ふと「居合を始めてなかったら、こんなこともないんやなぁ」と思い出しました。

 

 つまらないことかもしれませんが、居合を始めてから、大変大勢の人と知り合うようになりました。

 

 そしてとうとう刀剣商になってしまいました。

 

 その中で、お客様からご厚情をいただいたり、楽しい時間を過ごさせて頂く。

 

 その1つ、1つの場面が、最初のほんのわずかなきっかけ(居合の団体に入会すること)そこから始まったのだと思うと、その瞬間、瞬間が大変ありがたいものだと思います。

 

 最近、あちこちを傷めて、ちょっと弱気なのかもしれませんが、ふとそう思うことがあるのです。

 

 居合の仲間は元より、この仕事を始めたおかげで知り合ったお客様も含めて、すべての人に感謝して頑張ります。

 

 

 

 

現代刀にしては珍しく、浅い実戦樋で樋鳴りの音は余り大きくは有りませんが、ちゃんと刃筋を出せれば、シャープな樋鳴りがします。身幅も広く豪快で迫力も満点でのお刀、浅い樋は試斬でも活躍できる事を現していると思います。特注品と思われる、栗形の遥か先まで伸びた、銀の鯉口金具も使う人の手を確実に守ってくれる、良い拵になって居ます。

【居合向き拵えの一振り】「白竜子忠孝」72.0cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!

 今日は、先日お刀をお買いいただいたお客様の脇差を補修させて頂きました。


 脇指をヤフオクで安く手に入れられたようですが、鍔も、柄も、ハバキも、鞘も、刀身とは合っていない、別な物が付いていて、はっきり言ってカダガタでした。
 

 よくもまあ、こんな形だけ取ってつけたものを販売したものと、ちょっと呆れました。
 

 自然に木が痩せてくるだけなら、柄も、薄い経木一枚貼れば、しっかりと締まりますが、厚めの経木を貼っても、かなりガタついて、経木を重ね貼りしました。
 

 鍔周りは、鍔そのものの穴が、刀身より二回り大きな穴と成っていたので、鍔の上下に責金をして何とか、縦横の動きを押さえて、切羽も増やして抑え込みました。
 

 この手の押さえには、ゴム切羽も効果的です。(ゴム切羽は、絶えず鍔回りに、ゴムが伸びようとする力が加わりますので、少し慎重にお使いください)
 

 いろいろ、やって何とか、柄周りのガタツキだけは、ほぼ無くしました。
 

 先日、三振り持って、新しい刀を買う資金にと持って来られたのですが、後の二つは、何処よりも高く買わせて頂きましたが、この脇差は、流石に刀身も拵もあまりにひどかったので、売れる状態にする方がお金がかかると思われたので、その旨説明し、ガタツキだけは、こちらで止めさせてもらうので、持っておかれる事を勧めました。
 

 まあ、そんな成り行きで、修理はさせてもらいました。
 

 ただ、この手のかなり問題のある刀が良く持ち込まれます。


 売る方は、分かって売っているので、ノークレーム・ノーリターンと言い張りますが、買う方も、いっぱい質問して、十分確認をして買われる事をお勧めします。
 

 刀の世界では、合わせ柄や拵は、全く珍しくありません。
 

 現物が確認できない場合は、徹底して質問をすれば良いと思います。
 

 合わせの拵でも、手を入れて、しっかり補修して有るものは、居合等でも使用できる物も有りますが、下手なものを掴んで、試斬稽古等したら、一発で柄折れや目釘が居れそうなものが良くあります。
 

 拵の注文が来ても、よした方がと勧める位刀身が曲がっていたり、ハバキが合わせで、殆ど用をなしていない物も良く見かけます。
 

 私もヤフオクは好きで、時々見ますが、ギャンブルと考え、当たればラッキー程度に割り切ってやれば楽しめていいです。
 

 中には、掘り出し物も確かに有りますから。

 

 

 

 

大変珍しい両刃の短刀、千子派で保存鑑定が付いて居ます。千子派とは村正の興した一派ですが、村正の刀は、徳川家へ憚って銘を消されて無銘にされるものが多かったとききました。このお刀も銘を消した痕があり、虫眼鏡で良く見ると、うっすら「村正」らしい字が見えてました。本当の話だったんですね。

【室町時代の象徴、両刃の短刀】「千子派(村正)」19.7cm 、鑑賞に・居合の前差しとして!!!

 居合の演武等の時に、その人が出ると、周りの空気が変わって見える方がおられます。

 

 やっている形自体は、私たちと同じようなものなのですが、何か違います。

 

 その人が何気なくやっている、所作の中に、その人の今までの努力や人間力が凝縮されて現れるように思うのです。

 

 年齢を重ねて積み重ねてきた重みもあるとは思います。

 

 しかし、場の空気を変えてしまうその雰囲気は、体の中からにじみ出るものが所作になって現れ、他の人が見ると、そのように見えるのだと思います。

 

 そのレベルにはまだまだ行けませんが、真面目に努力する事はしなければと思います。

 

 

 

 

 

藤代義雄先生の「日本刀工辞典」では、新刀中上作にランク付けされ、山田浅右衛門の「古今鍛冶備考」で業物に追加された刀匠さんのお刀で、出来は確かに良いです。

古研ぎなのが多少残念ですが、研ぎ代の掛かっていない分安く(それでもうちでは高い気もしますが)出させて頂きます。

【保存刀剣、新刀中上作、業物】「藤原包綱」66.7cm 、鑑賞に・拵えを付け高級居合刀として!!!

 

 と言っても、お刀の買い取りです。

 

 本日もお客様から、3振りのお刀を買い取りさせて頂きました。

 

 また、照会が来て居る案件もあるので、近日中にもう1振り買い取り出来そうな見込みです。

この所、連日の様に買い取りのお刀が到着します。

 

 特に、当店で販売した物は、他店ではちょっと出来ないと思われる価格を付けますので、大抵はそのまま成約となります。

 

 当店に取っても、当店で販売したお刀は、殆ど手を入れる必要が無いので、手間を掛けずに販売出来るので、高く買っても、人件費が安く済む分、メリットも大きいのです。

 

 まあ、一日に沢山届くより、毎日、少しずつ来て貰う方が楽なのですが。

 

 皆様もお家に眠っているお刀が有りましたら、是非、お知らせ下さい。

 

 可能な限り高額で買わせて頂きます‼️

 

 そして、可能な限り抑えた価格で、皆様の要望に応えて行きたいと思います。

 

 是非ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

地肌も綺麗で、飽きの来ない刃文も魅力的なお刀です。

観賞用として、日本刀入門としても大変良いお刀かと思います。

【特別貴重刀剣、和泉守兼定の流れを汲む一振り、業物】「河内大掾國定」53.9cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!

 お客様から、写真の様な箱が届きました。

 

 開けてみると、吟醸酒5本のセットが入って居ました。

 

 しばらく鎧の前に飾りたくなる様な立派な物でした。

 

 こちらのお客様は、私のブログや動画に刺激されて、当店でお刀を購入頂き、先日、居合刀も買われて、新年から、近くの居合道場に通う事にされたとか。

 

 立派な物を頂いた事も嬉しいですが、私をきっかけとして、居合を始める同好の士を作れた事は、池田美術開業の大きな目的であり、凄く嬉しいです。

 

 これからも、居合と言う武道であり、日本文化に深く根差したものを広める事が出来るよう、頑張ります‼️

 

 

 

 

大変美しい直刃の一振りです。

長く、身幅、重ねもしっかりで、樋鳴りは形居合用のお刀の様に豪快に樋鳴りがしますが、構えて見ると、如何にも斬る為のバランスで、迫力満点です。

今年の新作刀展に入選した新人ですが、技術のしっかりした人に巻き直しとサメの張替をしてもらった柄もバランス良く握り易さと美しさを両立させています。

内外共に綺麗なお刀です。

【豪壮な姿に直刃が映える一振り】「雲龍子貞次」73.2cm 、鑑賞に・居合・試斬刀として!!!