恋の寿命は
3年なんだって。
3年以上一緒にいるためには
最初の恋から始まった3年間の間に
またその人に恋をすること。
そうすると
そこから恋がまた3年
延長されるんだって。
だから、100年経っても
好きでいられる2人
毎日顔を合わせても
幸せでいられる2人は
もう何度も何度も
相手に恋をし直してるってこと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
素敵だな。
規則正しかった呼吸が
ひとつ飛んだような気がします。
喉の奥がゴクリと音をたてて
ドキッとして思わず
周囲を見回してしまいました。
鼓動が速くなったのを
誰より感じています。
指先がどんどん
冷えていくのがよくわかりました。
そして
なんとも不甲斐ないことに
瞳が潤んで
視界がぼやけ始めてしまったんです。
あたしってば。
1人の人に
何回も何回も恋をする。
そんな生き方、素敵すぎる。
今は素直にそう思ったし
そう思えたの。
でも、昔の
不器用で天邪鬼で
カッコつけなあたしは
そんなふうには思えなかった。
あたしたちが別れた理由は
なんだったっけ。
いつもそばにあるもの。
いつだって手を伸ばせば届くもの。
暗がりの部屋の
冷たいシーツの中でも
そっと潜り込んで手を伸ばせば
いつだってそこには
温かい寝息と体温があった。
そして、半分寝ぼけながら
漫画みたいに
むにゃむにゃ言いながら
「お帰り…zzz」って言って
抱きしめてくれる腕があった。
だけどそれを
手放してしまったのはあたし。
多分、今思えば
きっと理由なんて他愛ないこと。
思い出せないくらいに
不明確なことだったんだと思う。
曖昧な別れを
繰り返したあたしたちは
お互い不器用なまま
また曖昧に求めあってしまった。
距離が離れても。
あたしたちにしかない
軌跡があったから
へんな情に絆されながらも
なんだか付かず離れずで
不条理な関係。
そんな時に思うのは
真剣になったらまた傷つくよ
本気になったらまた怪我をする
もう傷つきたくない
もうあんなに泣くことはしたくない
こんなに好きになった人と
2度も別れることになるなんて
そりゃ馬鹿な話。
こんなに愛した人と
2度もさよならなんてしたくない。
そんなのできない。
そんな
カッコつけたことばっかりだった。
何故、お互い真剣に
向き合えなかったんだろうね。
なんで、出逢った時みたいに
一瞬でお互いの心
奪い合った時みたいに
あたしたち
素直になれなかったんだろうね。
それは、やっぱり
あの時の別れが正しかったから。
あたしたちは結局
お互いのことを
何度も何度も愛せるなんて
出来やしなかったんだ。
愛したフリをして
恋しい素振りだけを見せて
実のところ
あなたに恋したのは
あの青い空の下
息切らして駆けてきた子犬のような瞳で
あたしに声を掛けてきたあの瞬間からで
曖昧な別れ方を選んでしまった時点で
やっぱりあたしたちは
終わっていたんだ、と。
どうせ別れるなら
どうせいつか忘れちゃうなら
出逢わなければよかった、
なんていう人はキライ。
出逢って
恋に落ちて
愛を知って
愛される喜びと
愛しい人を抱く幸せを感じておきながら
そんなこと言うのは
あまりにも悲しい話。
何度も何度も
あたしに恋焦がれて
あたしだけに夢中に
させられなかったのは
あたしの落ち度であり
反省すべきところ。
今度あたしが
「抱きしめたい」と
心から思える人には
何度も何度も
あたしに恋をしたいと思える
そんな魔法をかけられるよう
魔女に弟子入り。
いや、違う違う。
日々精進。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の最期まで
永遠に瞳閉じるその瞬間まで
静かに徐々に弱くなる
その鼓動が
最後のひとつを奏で終わるそ
の瞬間まで
何度も何度も恋し続けた相手が
そばで手を握ってくれている、
そんな最高の幸せを想像してみた。
あ、でもあたし
手を握る側になりたいな。
手を握って
その綺麗な寝顔を
見つめる側になろう。
愛した人が
安心して眠りにつけるように。
