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平成商品、及び、I/Oによる「彼女の、利口な自殺未遂。」見てきました。

 フラットの状態で見るために東京で先に行われていた時の情報や感想は一切見ずにこちらで見られる日をひたすらに待ちわびていました。

 PVからして興味を惹きつけて止まなかったのだがこれが実に面白かった。


 高校の同級生七人による久しぶりの同窓会。旧交を温めようとしてるのだが、どこか何かがぎこちない。やがて帰宅した家主の恋人も加わるが誰もが誰かの顔色を伺っているような不穏な空気。そんな中、招かれざる8人目の同級生が突如現れ、こう言った。

 「彼女が自殺未遂をしたのを知っていますか?」と。

 思い浮かぶは高校時代の記憶。問い詰める女。暴かれていく七人の罪。
 一人また一人と倒れていく。
 狂乱の密室の中、本当に裁かれるべきは誰なのか。

 一番悪いのはダレだったのか?

 そんな良質の密室推理サスペンス。

二つのバージョン両方とも見たけど演出が違えば同じ話でも印象が全然違うのだなぁというのがよくわかった。役者さんも総入れ替えだったしね。

 比べて見るとアイアンオー版は推理物としてよく出来ていたと思う。

 特に「訪ねた女」が七人を追い詰めていく様がスマートで力強かった。
 ラストの「彼女」と抱き合うシーンで二人を白い布が覆いかぶせようとしたときに「訪ねた女」がそれを止めてニヤっと笑うシーンがなんとも印象的で、この場面が一番胸に焼きついた。
 七人の罪を暴き自滅させていき、白痴美のような状態の「彼女」も手中に収めているようで「訪ねた女」の1人勝ちのような印象。
 彼女の目を通してお話を見ていたようで内容もわかりやすかった。

 あと一番悪い奴が判明した後の「なぁんだ私(オレ)が悪いんじゃなかったんだぁぁぁぁ」の喜び方笑い方がどす黒い本音丸出しでとても良かった。

 ちなみにアイアンオー版の公演中ツイッターの感想で「彼女可愛い」「彼女可愛い」言われまくっていて、あぁこれが「恨んだ女」が恨んだ所以か…とすこし思ったり(笑
 まぁ公演日程の半ばであまり核心的な感想が書けなかったと言うのもあるだろうけど。

続いて平成商品版。こちらはより多面的に見た情念の篭った内容になっていたと思う。
 ラスト部分が大きく変っていて正気を失っている「彼女」の思いが発露されていたような内容だった。それを見て悲しいお話だったのだなと感じた。

 これまで一人一人の罪や本心が明らかになっていた中でただ一人空洞のままだった「彼女」の心の内が垣間見えたことでようやくというか、ついにというか話が全貌が見えてきたようだ。

 平成商品版では「見ていた男」の狂気じみた泣き笑いの顔が一番印象的だった。興奮や悲しみ、諦めや嘲笑といった色んな感情が一度に表面化したようなあの表情が大好きだった。
 「見ているだけ」だったはずのあの男が場を支配したその瞬間がこの舞台の中で一番好きだ。


 よく出来た内容のお話なので2回見れたことはとても良かった。各人の視線の先や会話の意味、逆に黙り込む瞬間などそれぞれの思いや葛藤が見れてとても楽しかった。

大さんの傑作選同様こちらの舞台も舞台を見ない友人達に勧めていたのだが、興味を示してくれる率がとても高かった。やはりあの謎めいたPVの存在とタイトルを含めた扇情的な文言が効果的だったと思う。見に行ってくれた方もとても楽しんでくれて終演後色々お話をしたりして楽しむことも出来た。

 そういう宣伝も含めてやっぱり演出が上手だなぁとおもう。
 全部を含めてパッケージされた一つの作品としてとてもとても楽しめた。
 

 アイアンオーの、そして平成商品の次回作を心待ちにしている。

 今回もまた極上のエンターテイメントでした。