母が、認知症診断を受けて、お薬を処方していただ時の頃のことです。
そこでもらったお薬カレンダー。
カレンダーの日付の下にポケットがついていて、
お薬がいれられるようになっている。
大好きな主治医の先生に「このカレンダーでお薬を飲んでくださいね。」と言われ、
母は「ありがとうございます。」と丁寧にお辞儀し笑っていたのに、
家で私がお薬カレンダーを設置し、
一包化したお薬をポケットにいれていると何故か不機嫌。
そして、翌日母の家に行き、お薬カレンダーをみると前日の日付に薬が入ったまま。
「お母ちゃんお薬飲まなかったの?」
「飲んだよ。」といって、全然違う日付を指す母。
そして当日朝の薬を月末のところから出して飲んでいます。
さらに、お薬カレンダーが気に入らないから外して欲しいと主張。
母の家には、介護関連の方か私しかこないのに、
母は、「そのうち地元の友達が遊びに来て、認知症のお薬カレンダーを
みられたらみっともない。」とのこと。
確かに携帯電話で、前に住んでいた田舎のお友達に「遊びにきて。」なんて
言ってはいましたが。
住宅ローンを抱えた私に、住宅ローン減税に関する新聞の切り抜きをくれたり
結構難しいことが私より理解できることもあったので、
認知症のお薬を飲むことにちょっと自尊心が傷ついているのかも。
お薬は、引き出しに朝用の袋と夜用の袋をわけていれとおいてくれれば、
自分で飲めると言います。
仕事で毎日は会えないけれど、週に2日以上は会うので
3日分のお薬を、朝用の袋と夜用の袋にいれ、指定の引き出しにいれました。
大雑把なお薬管理でしたが、母の場合は、2年ほど自力で薬を服用できていました。
88歳前半まで、杖もつかず歩けるし、ひとりでトイレにも行けたけれど、
日付の把握に関しては、割と早い時期から、今日が何月で何日なのか
カレンダーをみてもわからなくなっていました。
後から考えると、母は、薬を朝と晩に飲むこと自体は簡単だったけれど、
カレンダーで今日の日付を確認すること自体はハードルが高く、
カレンダーが自分の異常を知らせているようで怖かったのかもしれません。
そのうち、デイサービスと私の完全お薬管理になった頃には、
母は、普通の柴犬カレンダーをみて
「カレンダーをつくっている人は、よほど頭がいいんだろうね。
私はわからないけど、たいしたもんだよ。」と明るく話していました。