にぎやか要員として、イケてるメンズ4人のドライブに呼ばれた。


新緑の阿蘇をぐるり一回り。


噴火口で石を投げて遊び、温泉に入り、
夜は熊本の繁華街に戻り酒場でハードリカー大会を催すという。


「かたくり子、髪型変わったね」

「そ、昨日美容院行ってきたさ。君たちのたーめーにー!
 『少しでもキレイな女性とドライブしたい俺たち』・・・でしょ!?」

「ようわかっとるねー!だけん好きたい!」

ガッチリと、固い握手。

私の役割は、高いテンションと楽しい会話、
そして、男闘呼(おとこ)の湯気で曇る車内を若干中和することなのだ。


(役割果たしまっせ)…私は肩幅に足を開き、うむ、とうなずく。


定位置は、後部座席の真ん中。


右手に金子賢、左手に舘ひろし似のイケメンにはさまれながら、
小雨の中、阿蘇をひた走る四駆に揺られる。


私たちは食べた。


ソースたこ焼きを食べ、ネギ塩たこ焼きを食べ、マヨしょうゆたこ焼きを食べた。

馬焼きを、エビチリを、生あげを、チャーハンを、高森田楽を、たかなめしを、

田舎風煮しめを、大根とにんじんのなますを、だご汁を、食べた。


モナカアイスを、こんがり焼けたひなどりのロティを、さっくりとした仔牛のカツレツを、

特注ブレンド小麦粉のもっちりとしたルッコラのピザを、

塩トマトとリコッタチーズのフランボワーズソースサラダを、

マスタードマヨネーズ付のフライドポテトを、アルデンテで辛いトマトソースパスタを、

濃厚チーズのリゾットミラネーゼを、エスカルゴと玉子とズッキーニのクロケットを、

具のあふれそうなサクサクのホットドッグを、メンズポッキーを、カールうすしお味を、

麦チョコを、イカピーを、チョコフレークを、


かっぽ酒とビールとジンジャーエールとギネスビールと赤ワインとバーボンソーダで流し込んだ。(*1)


5人頭におそろいのてれくま君(*2)タオルを巻き


「やっぱサウナ、最高っすよー!」


と腰に手をあて、牛乳を飲んだ。



そして、友情を深め合った。



恋愛の生まれる余地はない。お互いがそれを求めていないのだから。

こんな性格はいつからだろうと思い起こせば幼少期から。



恋こそないが、すくなくとも左手に金子貴俊、右手に猫ひろしではないこの生活に結構満足している。(*3)


_______

(*1)運転手は飲まず。男は黙ってジンジャーエール。


(*2)テレビくまもと(フジ系)のマスコットキャラ。


(*3)それはそれで楽しそうだけど・・・笑



職場の段ボールが溜まってきた。

ビニールの荷紐とハサミを手にして、こう思う。

「どうせやるなら『段ボールまとめ道』を極めたいものだ。」


いかにぴっちりと締め上げるか、一度にどれほどたくさん巻くことができるか、
手早くしつつも、結び目の美しさにもこだわりたい・・・

腕のみせどころである。


次々と束になっていく、従順な段ボールたち。

大量の段ボールの上に乗っかり、
町娘をいじめる悪代官のごとくギュウギュウ縛り上げ、悦に入っていたところ、

それまでなすがまま、沈黙を守っていたダンボールたちが

突如、反乱。


それは一瞬のできごと。

断層。 そして横滑りー・・・。


上に乗ってた私ごと


ズルッ!!


かろうじてコケまでせずにふみとどまったものの、
瞬間 「キャァッ」 と、キャラらしからぬかわいい声が出てしまった自分。


ふっ・・・まだまだ乙女だな。