H(羽鳥):「生理痛やPMSに鍼が効果的ということを、鍼灸サイドが伝える努力をしてこなかった」という話をしましたが、実は、生理痛治療について鍼灸学校ではきちんと教わりませんでした。
同僚長谷川(鍼灸マッサージ専門学校のクラスメイト)とも先日話している中で、教科書(全国の鍼灸学校共通)を確かめたら、「月経異常」として、生理痛・PMS・生理不順であわせて5ページ。しかも、書き込みを見ると、授業で割愛された部分が多いのです。
K:こんなに効果があるのにびっくりです。もっと教えればいいのに!
H:他の症候と比較してみると、軽視されていますね。男性視線で編集され、教育が行われている印象です。治療家を養成する場にもかかわらず、生理痛対策として「三陰交や血海にお灸でもすれば」というような扱いでした。女性誌レベルです。
K:三陰交や血海、関元、太衝は、私も知っています。生理について調べるといろんなところで出てきます。生理のたびに、指圧したり、温めたりしていました。生理のときは必死なので、いつのまにか青くなるくらい押してましたが、あまり効果を実感できませんでした。
H:雑誌などでは、Aという症状に対してはこの経穴、Bにはこの経穴、というような書き方をしていますが、経穴はスイッチではありませんので、一つや二つの経穴を刺激したとしても、劇的な効果を得るのは難しいでしょうね。
K:トーリの施術では、生理のときに「血海」を使わなかったのに驚きました。雑誌を見ても書いてあるし、マッサージで押されることもよくありました。
H:トーリでは、とっておきの経穴の組合せがあり、生理痛ケアには血海は使いません。生理中以外の周期で使うことはありますけど。
K:その説明を受けながら鍼をうってもらいましたが、そのツボに刺したときに、痛みがすーっと消えて、本当に本当に楽になったんです。
H:同じ生理痛でも、そのときの体調や季節によって違いますし、個人差もあります。患者さんをよくみて、そのときに最適な経穴を選ぶことで効果が得られます。
それと、一般的に、手足の経穴の他に、下腹部や腰部、仙骨部の経穴も生理痛治療の定番とされていますが、特に生理のときは、そのあたりは触られたくないし、ショーツを動かしたくないですよね。
K:そうですよね。それに、実は私はお腹や腰の鍼はすごく響くので苦手です。
H:伝統的な経穴の組合せを習得することはもちろんですが、私自身の臨床経験から、経穴ひとつひとつの性格を捉え、より効果的な組合せを研究しています。生理に限ったことではありませんが、触れられたくない部位の経穴はなるべく使わない施術の方法をいつも考えています。
K:トーリの施術は楽になるので、多くの人に経験してほしいと思います。
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