天気予報に臨む姿勢 | 片平敦オフィシャルブログ「気象予報士・片平敦の 風まかせお天気日記。」Powered by Ameba

天気予報に臨む姿勢

最近はブログの更新が滞っていてゴメンナサイ。

気合いを入れて書こうと思うと、なかなか進まず「筆不精」の本領発揮をしていました(汗)。


そんな僕が、ツイッター( @katahira_tenki )で、連続投稿した内容が下記です。

フォロワーさんに、せっかくだからブログに…とご助言いただいたので、転載します。


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明日の雪予報について「難しい」とツイートしたことに、何人かからご意見を頂戴、感謝。以下は僕の考え。連投ご容赦。ハズれた時、予報が難しい時、まだハッキリ分からない時、僕はその過程やそうなった・そう予想される経緯を解説すべきと考えています。むしろそんな時ほど。(1/10


予報が難しい上に影響が大きい時は、その事情をしっかり説明したい。今回の雪予報もそうですが、最も可能性が高いことを「結論」として言えはしますが、同じ「雪」という予報でもハッキリ言える時と言えない時があるわけです。これは予報士個人の力量ではなく、予測計算の精度の問題。(2/10


プロだからこそ日々の予測の精度も理解可能。ずっと前から断定的な予報を人がいるとしたら、全く誠意がない予報か、根拠が薄い予報です(勿論何日も前からでも予報し易い天気や状況もあるし、予想時刻が近づいてくればその分精度も上がってきます。それは日々異なるんです)。(3/10


コンピュータが計算した予測の結果をただそのまま読んで天気に翻訳するだけでなくて、その予測計算が今回はどの程度信頼できるかも、きちんと理解できるのが僕ら現場の予測技術者だと思います。そして、それを伝える段階でどうするか。(4/10


色んな可能性はあるけど、とにかく最も可能性の高いものだけを伝える、ほかの可能性は紛らわしいし、信用が下がるといけないから言わない、という人もいるでしょう。でも僕は、紛らわしいから言わないと言うのは伝え手の努力不足・甘えだと思うんです。(5/10


その時の予報が難しく、かつそのズレによる影響が大きい際には、情報の信頼性も伝える説明責任がプロとしてあると思っています。信用が下がるとも思わない。こういったブレ幅のある予報が今回ですよ、行動も今から決定するのでなく、……(6/10


…可能な限り直前まで待つのがベターです、と助言するのはむしろ誠意ある解説だと思います(勿論連日、難しいとばかりいうのならば力量を疑いますが)。医者の処方箋、なぜこの薬を出したのか・ほかの治療法にどんなものがあるか・どういうリスクがあるか。これと似てると思います。(7/10


医者を全面的に信頼し患者から何も聞かないのもありかもしれない。でも僕は自分の信念としてきっちり説明したい。気象解説者は「かかりつけ医」。どの姿勢の人が好きか・役に立つと思うかは、利用者が判断すればいいと思うんです。他の解説も聞く「予報のセカンドオピニオン」も大賛成。(8/10


これも僕の信念なんですが、天気予報は「当てにいくものではない」と思う。ギャンブルじゃないんです。当たるに越したことはないですが、科学技術や自分の力量の埒外に出ず、予測結果やその意味・精度をプロとして真摯に理解して、可能な限り精度の高い予測を組み立てる。(9/10


…必要があればその限界も説明し、利用しやすく噛み砕いて解説する。これが僕の天気予報に対する昔からの姿勢です。好き嫌いもあるだろうし、意見も色々あるだろうと思いますが、僕自身の解説者としてのポリシーとして、折角の機会なのでお話ししました。 (10/10


昭和8年、藤原咲平博士が「予報者の心掛け」という題で測候時報に寄稿された文には同じ旨のことも書かれており、僕の座右の銘。全部ではないけど、現代でも通用することも。雪予報を前に改めて読み、思いを新たに。連投ご容赦。


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テキストをそのまま転載したので、読みにくい感じですみません。


ブログの更新、ちょくちょくやらなきゃなぁ、と思うところです…。

「新婚旅行」の後篇も更新しなきゃ!!!^^;