西国巡礼紀行 -青岸渡寺-
ご存知の方も多いかと思いますが、
僕、「西国三十三所巡礼」をしています。(仏教徒というわけではないのですが…)
近畿周辺に33か所、観音さまを祀っている寺院があり、
それを回って祈願をする、という、近畿版のお遍路さん、ですね。
この土日は和歌山県那智勝浦町にある「青岸渡寺」に行ってきました。
((青岸渡寺)) 第1番札所
紀伊勝浦駅からバスに揺られること25分。
キツい階段を上った先にあるのがこの青岸渡寺です。
ちょうどご本尊がご開帳される「献茶法要」が昨日営まれていて、
これに合わせて、勝浦まで行く旅行を組みました。
こちらのご本尊は「如意輪観音」さま。
半分足を組んで、頬杖をついていて、
「悩める世の中の人をどうやって救おうかな」と考えているお姿です。
(半分足を組む=「半跏」、考え事をしている=「思惟」 ってことで、
仏像の種類としては、「半跏思惟像」なんて言ったりもします)
暗い厨子の奥にいらした金属製の仏像の観音さま、
う~ん、と何かを考えていらっしゃるようなお姿で、神々しい表情でした。
もうかれこれ、1年かけて三十三所の霊場を回っていますが、
ここで僕は31か寺目。残りは2つです。
予定では来月5月に回り終えて「結願(けちがん)」となります。
ここまで来たかぁ、という一方で、ちょっとさびしさを感じますね…。
さて、こちら「那智山」は、古来からの神域。
青岸渡寺のすぐ隣には熊野三社のひとつ「熊野那智大社」が鎮座しています。
日本の宗教って、本当に面白い。
明治の廃仏毀釈までは、神社もお寺もケンカすることなく、
同じ所に祀られていたりしたんですよね(「神仏習合」)。
ご親切にお接待してくださったお寺の女性が
たくさんのパンフレットや資料をくださって、すごく興味深かった。
もともとは中国伝来のお寺が赤くて、神社は赤くない(お伊勢さんは赤くない)。
でも、ある程度古い時代になると、神社とお寺が一緒になっていて、
神社でも赤い色のものが多くなる(春日大社や厳島神社など)。
それより歴史が下って比較的新しくなると、また神社は赤くなくなる。
とか、
昔から日本では、神社と仏閣は対等だった。
那智大社と青岸渡寺、どちらも屋根の高さは同じ。
もっと言うと、別宮・飛瀧神社のご本尊「那智大滝」の最上部も同じ高さ。
とか…。
廃仏毀釈がなかったら、明治期以降の日本の宗教観や伝統行事って、
ひょっとしたら今とはまた少し違ったものになったかも、なんですね。
そして、今でも神社とお寺が仲良くしている、こうした聖域を大切にしなきゃ、とも思います。
そうそう、那智大社といえば、これ!
毎年「お天気ナビ」でもお伝えしている「干支の大絵馬」。実物を見て大興奮!
年末に宮司さんが書きあげて、前年のものと掛け替えてる映像はおなじみですよね。
那智の滝と三重塔。那智山の絶景です。
落差133メートルの大瀑布、
周りには細かな水滴が飛び、ゴーという音が心地良く、
「癒し」のスポットでした。夏はもっと気持ちいいだろうなぁ。
那智山ではたくさんの「春」の姿を見つけましたよ!
また次回、ご紹介します~!!