西国巡礼紀行 -壺阪寺・興福寺南円堂-
朝晩はヒンヤリしますが、日中は歩くのに気持ちいい季節です。
お寺巡りにも最適! 秋のご開帳シーズンはまだまだ続きます。
((壺阪寺)) 第6番札所
インドとの関係が深いお寺だそうで、
どことなくシルクロードや南アジアの香りが漂うお寺でした。
ご本尊の観音さまもどこかインド風。
ふくよかな印象でおひげもあり、
いままでたくさん見た日本の仏像とはちょっと雰囲気が違いました。
全部ではないですが、
何本かのカエデはすっかり赤く色づいて、
かわいいオニさんもいて、ステキな境内でしたよ!
沢市・お里の人形浄瑠璃で名が知られているお寺でもあります。
(失明した夫と、寄り添う妻を描いた話。壺阪観音霊験記)
大きなメガネ(=いわば「メガ・メガネ」?)が置かれていて、
「合掌してくぐってください」とのこと。これ以上目が悪くなりませんように…。
((興福寺南円堂)) 第9番札所
奈良市の興福寺にある南円堂。
修学旅行スポットでもあるここですが(僕も中学の時に来ました)、
西国三十三所の9番札所でもありました。
それにしても、この日は人・人・人!!
全国に仏像ブームを巻き起こした「阿修羅展」(後述)の初日と、
南円堂の秘仏本尊のご開帳(年に1度・この日だけ)が重なって、
ものすごい行列があちこちで出来ていました。
長い行列に並ぶこと25分。
やっとご本尊の「不空羂索観音」にお会いすることができました。
この観音さまはけっこう珍しいタイプで、目が3つ・手が8本あるお姿。
そのうち1本の手が持つ綱(羂索)で迷える衆生をからめとり、
正しい道に導いてくれるんだそうです。藤原氏が信仰した観音さまとか。
厳かで気品漂うお姿の観音さまでした。
中学の修学旅行の時には気付かなかった、こんなものが南円堂にあります。
奈良地方気象台の「ノダフジ」の標本木なんです。
奈良公園にはほかにも浮見堂にウメの標本があったり、
近所の奈良女子大学にはイチョウの標本があります。
奈良にお立ち寄りの際には探してみるのも楽しいかも。
そうそう、この藤棚の下、
納経所の列で並んでいると嬉しい(ビックリする)再会がありました。
以前、別のお寺でお会いした西国巡礼中の女性なんですが、
(娘さんといつもアンカーを見てくださっているそうです)
お会いするのはなんとここで4回目…!!
お寺は33か所もあり、お互い予定を伝えることもなく回っているのに、
時間だっていつ行くかわからないのに、偶然出会ってしまう…。
観音さまの縁、でしょうか。次にお会いするのも楽しみです。
猿沢池の前の通りでは、ハナミズキが赤い実をつけていました。
こちらもすっかり、秋が深まっていくところでした。
ちなみに、この日(17日)から11月半ばまで、
興福寺の仮金堂と北円堂(特別開扉)が行われていて、
ウワサの「阿修羅」像も東京・福岡を回って帰ってきていました。
こちらの仮金堂では釈迦三蔵像、四天王像、
八部衆、十大弟子などの仏像がズラリと並び…。
国宝・阿修羅像も間近で堪能できます。
凛々しい顔立ちで、表情や形が素晴らしい仏像でした。
特別開扉が始まった北円堂でも、
いくつもの仏像を見ることができます(すごい行列でしたが)。
弥勒如来像、無著(むちゃく)・世親菩薩(せしんぼさつ)像(いずれも国宝)や、
四天王像(これも国宝)を拝観することができます。
特に運慶の作とされる「無著・世親菩薩像」は、
日本の彫刻史上の最高傑作のひとつと称されるほどだそうです。
芸術の秋・勉強の秋、奈良の古刹に足を運ばれるのもオススメですよ!
<おまけ>