今回の6月議会の議案に、水道料金及び下水道使用料額の一部改定のための条例改正案が上程されております。

前回の水道料金改定は、8年前の平成28年に約20%の値上げを行いました。本来であれば、5年後の令和2年度に料金改定の検討がなされる予定でしたが、コロナによる影響で先送りになっていました。

上下水道事料金に関しては、適正な上下水道料金のあり方について、令和5年度に諮問を受け、審議会において令和6年3月に市長に対して答申案が提出されました。

水道事業の現状は、給水収益が減少傾向にある一方、営業費用は増加傾向にあり、準利益が確保できなくなることで、資産残高の減少が見込まれています。

下水道事業の現状も同じ様な状況にあり、一般会計繰入金は市の経営戦略よりも増加する見込みです。

また、令和12年度以降に予定している主な水道事業としては、富吉浄水場更新事業(約70億円)、富吉水源地更新事業(約51億円)、下北方浄水場大規模改修事業(約42億円)、生目台送水管更新事業(約100億円以上)などが予定してあります。現在行っている事業もあり、水道事業を継続するために膨大な予算が必要となります。

水道事業は令和10年度には赤字となる見込みで、資産残高(目標30億)は令和7年度以降は確保できない見込みとなっています。

下水道事業の方の今後の主な事業としては、下水道管きょの老朽化・地震対策事業(約115億円)、下水道施設の耐震・耐津波化事業(約28億円)、大淀処理焼却焼却代替整備事業(約45億円)などが予定されています。

それらの資金不足を解消するため、適正な料金への見直し案が提出されています。具体的な基本料金は、水道で9.0%、下水道で19.71%の値上げ方針となっています。料金見直しのシュミレーションによりますと、例えば、口径13ミリの場合、1ヶ月の使用水量が20㎥(他市との比較で一般的に用いられる水量)では、税込み5,390円だったのが6,147円になり、757円の増額となるようです。

南海トラフ地震といった大地震に備え、上下水道施設や管路の耐震化も進めなければいけません。

今回の一般質問にて、下水道管路施設の耐震化の状況を質問しましたが、緊急輸送路、防災拠点や避難路と終末処理場をつなぐ道路、また鉄道及び河川横断部などに埋設されている下水道管のことを「重要な幹線」と位置づけられており、この重要な幹線の耐震化率は、令和5年度末で90.6%となっており、令和4年度の全国平均56%より進んでいることがわかりました。

水道管に関しては、350mm以上の管路は「基幹管路」と呼ばれています。その基幹管路の耐震適合率で、令和4年度末で43.7%で、こちらも全国平均42.3%を上回っている状況です。しかし、重要な幹線については、工事内容によりますが、1mあたり150万円ほどかかり、基幹管路については、500mmの管路で、1mあたり約40万円ほどかかるそうです。

耐震化をさらに進めることや、先に述べました、更新事業などを勘案すると、今回の料金改定は避けて通れないことだと思います。

ちなみに、次回の料金の見直しは、答申が提出された5年後(令和10年度)を目途に検討する予定となっています。



宮崎市上下水道局イメージキャラクター
アクアボーイ アッくんです。