質問

戸籍に死亡した日時が記載されていますが「推定」と記載されている場合は、そのまま登記原因に反映されますか。

 

回答

結論 登記簿上、省略して記載してほしい希望があれば相続人の身上に配慮して「推定」の文字を省略することは可能です。

 

説明 

相続を登記原因とする所有権移転登記においては、戸籍の記載に基づいて「原因 令和○○年○○月○○日相続」と表示されるのが一般的です。

しかし、戸籍に記載される死亡年月日の中には、「推定令和〇〇年○○月○○日死亡」や「〇〇年○○月○○日頃死亡」と記載された戸籍があります。これは、震災等の天災異変や人為的な異変(自殺等)によって死亡した場合に記載される例です。

登記実務の取扱いとして、基本的には戸籍に記載されたとおりで登記するのが原則ですが、「推定」の文字を入れることを望まない相続人(申請人)もいると考えられますので、申請人の要望が申請書に反映されている場合、実務上において「推定」の文字を省略しても不動産取引において特段の不都合はないとされ、実務的に認められた事例となっています。

しかしながら、戸籍上「令和〇〇年○○月○○日から○○月○○日の間に死亡」と記載がされている場合は、戸籍の記載のとおり登記原因として記載されてしまいます。

なお、一旦、「推定令和〇〇年○○月○○日死亡」と登記されてしまった場合、「推定」の文字を取り除く登記原因を職権で更正してほしい申出があったとしても誤った登記ではありませんのでその申出は認められませんのでご注意を。

司法書士 石井隆