第10回上海国際映画祭でいよいよ上映 | 世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

世界の映画祭へ挑戦 世界中で劇場公開を目指して

(・ω・)ノこのブログはカメラ片手にバックパックを背負い世界4カ国へ渡航し完成させた長編映画とそれにまつわる日々を綴っています。世界中のあらゆる国際映画祭に参加し劇場公開を目指す、勝つか負けるか?生きるか死ぬか?崖っぷち日記です。

本日午後1時30分、自分が監督しました映画「クロスワード・モノローグ」が上映されました。これがどしたことか全く緊張せず、むしろ他のことばかり考えてました。スピーチの内容を考える事もすっかり忘れてました。車が迎えに来る時間までソファーに座ってボーっとホテルの窓から見える上海の絶景を見たりしてました。

事務局からのお迎えの車に乗ってお昼くらいに上映会場に到着。上映会場の前で今回同行した友人と事務局の方々と打ち合わせしていると・・・眼の前を見覚えある方が会場へ入って行かれた・・・

審査員の一人、行定勲監督。映画祭という力を借りて行定監督に作品を見てもらえる事になったのでした。急いで礼儀として挨拶だけは・・・と思ったら映画がはじまってしまいタイミングを逃してしまった。

上映中、「映画館からお客さんが全員退席したらどうしよう」と心配していまいした。というのも今回上海国際映画祭に同行した友人がちょっと前に今年のカンヌ映画祭の話をしていたから・・・

ある映画がカンヌで上映され、上映前200人以上が客席を埋め尽くしたが、映画上映中盤で、観客はたったの2人になっていたそうです・・・その観客の一人は彼の上司でもう一人は寝ていたらしい・・・超生々しい体験談。

いらん話を・・・(゜_゜)

と思ったが、途中退席者はほとんどいなかった様子。映画の上映が終わり、たぶん会場にいる人ほとんどから拍手をもらったようです(緊張していて覚えていない)。ティーチ・インのために名前を呼ばれるも中国語名だったのでワンテンポ遅れる。お客さんたちの前に立ち綺麗なお姉さんから花束を受け取る。拍手を頂く。

しかし、本当に上海国際映画祭事務局員の方々は女性が多い。すごく多い。女性が元気なところはとっても活気で溢れる。

「今日は来て下さってありがとうございました」と頭を下げた。また拍手を頂いた。挨拶が終わると速攻ある方がとても元気良く立ち上がり質問を下さいました。

その方は・・・北京電影学院 黄 式憲教授、と後から知る。

それから何人か色々質問して下さいました。最初は目線をどこにやって良いか分からず下を向きながら話していたのですが、ふと観客席に目をやると・・・観客の皆さんすっごい笑顔。そこで一気に緊張しなくなり超平常心に戻る。あまりに皆さん笑顔なので予定外の撮影秘話など面白おかしく話しました。「カメラとバックパック背負ってアルバイトしながら映画を作りました」と話すと会場からまた拍手が・・・

なんて温かいの、上海市民・・・(゜_゜)

そして次にある女性から質問を頂きました・・・

その方は、今回審査員の一人・・・と後から知る。すなわち審査員の方々全員映画を会場で観ていたわけです・・・当たり前です・・・

とにもかくにもティーチインは予定より大幅に延長され、沢山質問を頂きできる限り沢山面白おかしく答えました。スピーチでお客さんを楽しませるのも『自分の責務』のように思ったので。とにかくなんだかんだでとても幸せな上映会になりました。僕はてっきり厳しい指摘を受けるものだと思ってたのでほっとしました。

そしてティーチインが終わると、うまれて初めてサイン攻めに合いました。必死でした、なぜだか。ある観客はポスターを買えないか?と言ってきたそうなのですが、二部しかなく、かつ一部8600円だったので・・・無念。

しかし、僕が散々気にしていた音のクオリティーの低さや画質のクオリティーを、観客は全然気にしていない様子。ティーチ・インの時も質問は全部内容に関してでした。なんだか拍子抜けすると共にそれはお客さんたちの中の「表面的なクオリティーは単にお金があるかないかの問題」という通年によるものかもと思ったりしました。ようするに製作者サイドが気にする事は、お客さんたちには関係ない場合が多いのです・・・

上映会場を出たところで、黄式憲教授がガ~といらっしゃって握手。すごいパワーの持ち主。とっても熱心に話しかけてくださって、こちらはおろおろ。映画を尋常じゃない程気に入って頂けた様子でした。黄式憲教授のお付の方が黄教授は映画業

界でとてもとても有名で田荘荘監督やチェン・カイコー監督など沢山の有名監督を教え子に持つと教えて下さいました。北京電影学院は中国の最高峰映画教育機関・・・と知ってびびる。びびった。そして黄教授と一緒に写真を撮った後、黄教授はこう言われました。

「必ず、必ず、映画祭が終わったら私のところに連絡をしなさい。メールでも構わない。必ず連絡するように」

あまり熱心に教授が仰るので連絡差し上げさせて頂きます・・・

その後何人も何人もの方と話して写真を撮ってサインをしてあっという間に時間は過ぎ・・・そして、行定監督へのご挨拶のチャンスを再び逃す事に・・・仕方ないので閉幕式でご挨拶しようという事に・・・礼儀が・・・

今回の上映で一番うれしかったのは、お客さんたちが皆笑顔だった事。その笑顔がすべての結果を総括した。

上映後、友人と両親(今回上海国際映画祭に同行)と観光へでかけました。とにかく上海国際映画祭の我々に対するもてなしは至れり尽くせり。本当にきめ細かな対応。観光のために専属ドライバーさんがどこへでも連れて行ってくれる。サイさんが観光プランを用意してくれて、あちこち名所を探索。夕食は上海でも最高のレストランへ連れて行ってくれた。

そういうところで食事するにはサイさんのような方がいないと無理。場所もわかんないし注文すら出来ない。とにかく生まれて初めてすごく立派な点心専門レストランへ。点心以外だとフカヒレ(激旨!)食べたり、あれ食べたり、これ食べたり・・・もう本当に珍しいものばかり食べた。そしてどれもこ
れも旨かった。

明日は閉幕式。映画祭で一番華やかな式典、授賞式。

でも僕は授賞式に関しては、本音を言えばどうでも良く思ってます。確かに受賞があればそれはとても名誉な事です。将来もまた色々変わるでしょう。しかしそれは受賞したら嬉しいのは嬉しいとは思うのですが、赤ちゃんに負けないくらい正直な気持ちを言えば受賞に関して全く興味がない。

他者から見れば僕の言っている事は受賞を逃した時の単なる言い訳にしか聞こえないのかもしれません。でもそれで全然良くて。

今回力作が勢ぞろいしているし、僕の映画は学生映画でありビデオ映画です。他の映画は本当にクオリティーが高い。内容(物語など)に関してはお金がかからなかったので一生懸命やりましたし、なによりもその時その時で自分ができる事をすべてやり尽くしたので悔いはありません。

もともと上海国際映画祭にノミネートされた事だけでもびっくりで、そして今回の上映でお客さんたちが笑顔だった事もびっくりで、その他色々沢山の楽しい思い出が作れた事で僕はすでに大満足しています。

賞を取ることはとても大切な事かもしれませんが、それは二の次三の次で、僕は賞がどうのこうのよりも、お客さんたちに楽しんでもらえるか?という事だけしか考えられなかったので、もう僕の中では映画祭は終了しました。

なので、僕の頭の中は

『次なる目的地』

へ飛ぶ事でいっぱいです。