MUNICH:ミュンヘン | ☆☆☆フィルム坊主☆☆☆

MUNICH:ミュンヘン

MUNICH


1972年のミュンヘン・オリンピックで


イスラエルのアスリート11人が


パレスチナゲリラ「ブラックセプテンバー“黒い九月”」によって


殺害されました。


イスラエルはパレスチナに報復するため


ミュンヘン事件の首謀者・実行者11人を殺害する計画を立てます。


その任務にイスラエル秘密情報機関「モサド」の一員アヴナーが選ばれ、


彼をリーダーとした暗殺グループが


次々と報復殺人をおかしていく実話にもとづく映画が


ミュンヘン 」です。


以下はネタバレありなので、これから映画館などに行く方は閲覧をご遠慮ください。



この映画、どこまでが事実か定かではないのですが、


ミュンヘン事件とそれに対するイスラエルの報復という


事実にもとづいている映画なので、


すべてが実際に起こったことのような錯覚になってしまいます。


それはさておき。


この映画、重すぎます、、、。


放映時間は2時間44分と長いのですが、


内容が重すぎて


時間を忘れて見入ってしまいました。


スピルバーグが監督を務めているのですが、


執拗なまでに殺人シーンが登場してきて


恐怖すら感じるところは、さすがというべきなのでしょうか。


僕は、実際に銃声を聞いたことはありませんし


殺害現場にも遭遇したことはないのですが


リアルだなと、実際はこんな感じなんだろうなと


感じました。



イスラエルとパレスチナの問題。


日本人の僕が、彼らの気持ちを心底理解することはできないと思いますが、


映画の中のイスラエル人の主人公とパレスチナ人との会話


イスラエル人「オリーブの木と乾いた土しかない土地がそんなにほしいのか」


パレスチナ人「それでも私たちは国がほしいんだ。何年経とうが私たちは待ち続ける」


というニュアンスのセリフには考えさせられるものがありました。



不満は2点あります。


まず、「私は正しいのか?」というフレーズがパンフレットやCMに登場しますが


主人公がそう感じるようになるのは、もう本当に終わりの20分くらいでして。


なぜこのセリフにスポットを当てているのかがわからない。


「祖国のために私は殺す」的なほうが


グッとくると思いました。


それから当時の実際の報道映像が使われているのですが


これ、使わずに、


この映像も作ってほしかったです。


スピルバーグは臨場感や事実性を追求しようとしたのだと思うのですが


映画なのでいらないのでは?と感じました。


その2点くらいですかね。


ラストシーンには現在では存在しない「世界貿易センタービル」が


バックに登場します。


現代テロの象徴といえるツインタワーを登場させたのは


観る者へのメッセージでしょうね。


感動とか恐怖よりも、この事実を知ったという重みがずっしりと心に残りました。



今回、星は9つです。


★★★★★★★★★☆