テレビでは
名古屋は1日中雨だと言っていたのに
昼過ぎくらいまで大して降らず
だから安心して傘持たずでいたらば
屋根無しのバス停でのバス待ち中にいきなり
ザーーーーーーーーーーーー……
そりゃないぜ!
と天をあおぎ見れば
ただただ無情に
顔面が濡れるだけ。
そんな日もあるさ。
メガネもびしょ濡れで
なんも見えないけどね!
メガネにワイパーが欲しいだなんて
こんな時ほど思うものだ。
メガネ外して
レンズの水滴をハンカチで拭う。
裸眼、0.01以下という驚異的弱視が
黒いビニール性の何物かをとらえた。
おや?
メガネをかける。
何物かが
黒い傘だと気付く。
「バス待ち?
私もそうなんだよね
君、びしょ濡れだね~
傘は?ないの?
雨ひどいから、良かったら入った入った」
見ず知らずのおじさまが
見ず知らずの僕を傘に入れてくれていた。
お互い見ず知らず。
なのにとても自然な成り行きだ。
助かったぁ~!
ありがたい!
見ず知らずのおじさまの優しさに触れ
何だか気持ちがあたたかくなる。
見ず知らずなのにね。
他愛もない世間話を
ひとしきりしゃべっているうちに
じきバスがやってきた。
見ず知らず同士が
一瞬軽いお知り合いとなり
バスに乗り込む事で
また互いにまったくの他人へと戻る。
この先このおじさまと
再び出会う確立は多分極めて低いに違いない。
ただ
こんなすれ違い
こんな一期一会ってのも
いいもんだなと思う。
世の中すてたもんじゃない。
すててないけどね。
結局傘を買う事もなく
1日過ごして
濡れたり濡れなかったり。
ホテルでビニール傘借りて
夕飯の買い物へ
行ってまいります!
