思い入れ | 加寿利屋“日誌”

加寿利屋“日誌”

こだわり抜いた趣味の呉服

誰でも思い入れの物があると思いますが、それは人それぞれで、



以前、子供のおもちゃを無償で直してくださる方とお会いした際、大切にしていたおもちゃを何とかして直してあげたいという気持ちをいつも持ち、自分の納得できるまで試行錯誤で直してくださっていることがとても素敵だと思っていました。




私も、着物の修復をすることがありますが、お金ではない部分がたくさんあって、その方の思いをたくさん聞き、何とか直してあげられたらと思いながら作業をするようにしています。







先日、「もう直らないと言われました」と相談いただいたのは黒留袖でした。

それは、お母さんが娘さんの為に残した黒留袖で、ご本人のどうしても着たいという強い気持ちが私の心に伝わってきました。

黒がやけてしまっている状態でしたが、

お客様の予算内で何とかならないものかと、同業の先輩にも相談したりし、その方に一番いい方法でお直しすることができました。



すぐにお電話して、数日後、取りに来ていただきました。

母が残した大切な黒留袖、その思いを聞いていただけに、

とても喜んでいただき、私自身も嬉しくなりました。









こんな時、この仕事をしていて良かったな、と思う瞬間です。






これからも色々な方の思いを聞き、笑顔をたくさん作れるように頑張っていきたいと思います。








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