夫の最期となった入院の時には、歩けなくなって救急車で運ばれた。


次の日行った時は、ベットの上の夫は入院した時とは違って変わり果てた姿になっていた。

 

駆けつけた次男は、父親の姿を見てこらえきれず、ベットの側で声をあげて泣いた。

 

夫はその3日後 天国へ旅立った。

 

次男は夫が亡くなった、ちょうどその時、一旦家に帰っていて、実家に帰っているお嫁さんとビデオ通話をしていた。

お嫁さん 「次男さんのまわりに白い玉のようなものが飛んでいる。何だろうね」と言った。

 

私は、次男からそれを聞いて、白い玉は夫だと すぐに思った。


夫が亡くなって、夫の魂は次男のところに飛んでいったんだと確信していた。

 

夫は次男に何を知らせたかったのだろう。

 

そして、夫が亡くなったその後に、次男から電話があった。

お嫁さんのお腹にいた赤ちゃんの心臓が止まった という報せだ。


小さな命がこの世を見ずに天国へ昇った

 

夫と共に天国へ旅立ってしまった。


お腹の赤ちゃんは、お母さんとお父さんの顔を見る事もなく、この世を去っていった。


どんなに悲しかっただろう。

 

 

あれから一年半が過ぎ、嬉しい報せが来た。

 

次男「母さん、僕たちに赤ちゃんができたよ。お嫁さんのお腹に、小さな豆粒が見えるって」

 

私「え~ほんとに良かったね。お嫁さんの身体を大事にしてね。」

 

 

次男のお嫁さんのお腹に新しい命が芽生えている。

夫がいたらどんなに喜んだだろうか。


あれから五ヶ月が過ぎた。

次男から妊婦検診の時に撮った赤ちゃんの動画が送られて来た。

手を動かして指を口にもっていってる。


元気に育っている。安心した。

 

私には双子の孫がいる。

もう一人、可愛いエンジェルさんが増える。


私達の遺伝子の命が繋がる。


そして、不思議な事に、赤ちゃんの予定日は夫の誕生日と同じ日だなんて、偶然なのだろうか。

 

私は、想像しながら会えるその日を楽しみにしているのだ。

 

 

 

 

 

 

すい臓がんステージ4、肝臓転移、余命宣告…

夫のすい臓がんが見つかってから、旅立ちまで、闘病中の夫や家族の様子・妻として感じたことをKindle書籍にまとめています。