りんごをかじると、血が出ませんか のコマーシャルが今ではなつかしい。

その頃、みんなりんごをかじって、血が出ていなければ 安心していたのかも知れない。

 

歯科を嫌がる人は多いけど、私は歯科に通うのは、苦痛ではなかった。何かあれば、すぐ治療に通っていた。

 

歯科業界では80才過ぎても、健康の為に全ての歯を残そうと 言われている。

 

おかげで私の歯は、親知らず以外は全ての歯が残っている。

 

 

ところが、夫が亡くなってしばらくして、口を開ける度 顎の付け根がギシギシとなるようになった。

 

固いものやりんごなど食べると、よけいにミシミシ ギシギシとなる。

りんごは、すって食べないとダメかなと思ってしまう。

 

痛くは無かった。だからそのうち、鳴らなくなるだろうと思っていた。

気になりながらも、そのままにしておいた。

 

 

だけど、何かを食べる度、顎が鳴るのは気分が悪い。気になって顎の付け根を、押すと痛いような感じがした。

 

(私の顎は、どうなってるんだろう?

このままだと、骨がこすれ削れて、しまいには物が食べられなくなってしまうわ 大変だ。)


私は、慌てて歯科へ受診した。

 

歯科で、レントゲンを撮ってもらった。

 

歯医者さん「骨に異常は無いですよ。これは顎関節症と言って、骨と骨の間のクッションの様な物の、すべりが悪くなってるんですよ。

疲れとストレスで、この様になるんですよ。」

 

私「そうなんですか。夫が亡くなったり 私の目を手術したりで、こんな症状が出て来たんですかね?

でも、骨が何ともなくて 良かったです。」

 

 

歯医者さん「あとは、食後に顎を開けて閉じる動作を10回ずつしてみて下さい。」

 

 

私「大きく開けていいんですか?

あまり大きな口は、開けない方が良いと思ってました。」

 

 

歯医者さん「ほっておいて、治る人と治らない人がいますが、ストレスが発散出来たら 治ったりする事もあるんですよ。

マウスピースをつけて見ましょう。

これで良くなる人もいます。」

 

私「はい、お願いします。」

型をとってマウスピースを作る事にした。

 

それにしても、ストレスでこんな事になるなんて本当に困るわ と思いながら帰って来た。

 

今までストレスで、胃痛 腰痛 動悸 不眠などの症状が出て来ていた。今度は顎関節症になってしまった。

ストレスをためると思いもしない症状が次から次と出てきて怖い。

 

だけど自分では、そんなにストレスを感じていないと思っている。

だけど、こうして体が教えてくれている。

 

夫が亡くなって、一人で色んな事をかかえた事が、そうさせたのか。

 

でも大丈夫。ひとつずつ、解決していけばストレスも解消出来ると思っている。



今の私よ、前向きに 前向きに。

夫が赤いカーネーションをくれた時の事を思い出して、明るい気持ちでいないとね。

 

 

 

 

 


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