娘から電話だ


娘「母さん、みんなコロナにかかってしまったよ。私の熱が40度もあるの 子供達の学校でも かかった子がいるって。」


私「手伝いに行こうか?」


娘「母さんに、うつったら大変な事になるから 来なくていいよ。何とか耐えるから ゴホッゴホッ 息が苦しい ゴホッゴホッ」



私「大丈夫なの?こんな時に、手伝いに行けないなんてね」



娘「うん、みんなで寝てるわ じゃあね ゲホッゲホッ」


私「うん、がんばるんだよ。」



娘は、喘息持ちで、呼吸が上手に出来なくなる時がある。体の酸素が足りなくなると、顔色が悪くなって来る。

私はそんな時 深呼吸 深呼吸してと言っている。

そんな娘が心配でもある。



しかし、コロナで近所の人が亡くなっているし 私がコロナにかかってしまったら、みんなに迷惑をかけるから手伝いに行く事は出来ない。



コロナは、まだまだ無くなっていない。

バスも病院も店もマスク着用の張り紙がある。

だから、外へ出かける時はマスクをはずせない。



私の耳の後ろから黄色いつゆが出ている。皮膚の弱い私の耳はマスクのひもで、接触牲皮膚炎になってしまった。



次の日も電話した。


私「どう 大丈夫?」


娘「うん、まだ熱はあるわ。男の子は1日で熱は下がったよ。」


私「男の子は、熱が上がっても いつもすぐ下がっちゃうよね。」


娘「うん みんな食欲無いし そのまま寝てる。」


私「水分だけは、とるんだよ。」


娘「うん、何とか乗り越えるわ。



私は家にいて、ただただ心配しているだけだった。



その後2週間して行ってみた。

家の中は嵐が去った後の様になっていた。


娘「体が、だるくて何も出来なかった。女の子は私が死ぬんじゃないかって泣いたんだよ。私が動けないし食べられなかったからね。そう思ったんじゃないかな。」



私「そうだったんだ。ニュースで亡くなった人もいるって言ってるしね。。そう思ったのかも知れないね。 後は私がやるからね。休んでなさい。」



その後、パパさんも しっかりコロナにかかってしまった。



コロナにかからなかったのは私だけだ。



まだまだ 私が元気でいなければと思った出来事だった。





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