夫は生前、私の目の事を とても心配してくれていた。

自分も、具合が悪いのに、一生懸命 良い病院を、探してくれた。


だけど、病院が見つかっても 私は、方向音痴なんだから、遠い所は、行きたくないよと言っていた。



そして、夫が亡くなって、しばらくして 今度は自分の事に目を向けた。


そろそろ 私の目を手術してくれる病院を見つけて 診てもらわないと、と思った。



私(そうだ、10年前に私の目の涙腺が詰まり 涙が止まらなくなって、診てもらった病院がある。

あそこは、手術もしてたわ)


そこの眼科に行って診てもらう事にした。




眼科の受付で、他の眼科で白内障があるから 手術をしてくれる病院へ行くようにと、言われた事を告げた。



ここでは、診察前に 目のすべての検査を受けた。



診察室で医師が、私の目を診ると


医師「わぁ、両方共 真っ白だ。

これは手術しないとダメだよ。」



私「はい どうりで、何でもぼやけて見えると思いました。」



医師「今日 手術の日決めていって下さい。詳しい事は、看護師に聞いて下さい。」


私「はい」



即、手術の日を、決める事になった。


看護師「手術の説明と手術の日は 誰か付き添いが必要です。

お一人で暮らしているんですね。

誰か 家族の方は来られる人はいますか?」



手術の1ヶ月前に 血液検査がある。

手術前の医師からの説明には 長女に来てもらい、手術の日は 長男に来てもらう事にした。



ここの病院は、手術を受ける人が たくさん待っていて、私の手術の日は6ヶ月後に決まった。



ああ、やっと手術する事になった。私の両親も眼の手術を、している。

私も、いずれ そうなるんだと、前々から覚悟はしていた。


何の手術でも、体にメスを入れるのは怖い。特に眼の手術は、医師を信用していても嫌なものだ


声が出せない時や、耳が聞こえない時は文字で知らせる事が出来る。

でも見えなくなるのは、一番困る。私は、双子の孫の成長をずーっと見届けていたいのだ。



だから、お医者さんに、私の目を手術して 良くして下さいとお願いした。





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