ランチ以後、シンちゃんからは何の連絡もない。
自分からもしていない。
はて?あの時間は何だったのだろう???
シンちゃんは結婚しても、自分の自由にしたいと話していたし、ほんのり色恋を感じさせるような匂いもしていた。
そういう目線に感じたけど、シンちゃんのそもそもの黒目がちな瞳が勘違いさせるんだよなぁ、、、
その昔も、あの眼差しに勘違いしたものだ。
そりゃ一度セックスしたから、男女の仲になる要素はあったのだろうけど。
だが、シンちゃんとカオルの求めてるものは違うようだ。
この前話した感じだと、シンちゃんはそんなに恋愛体質でもなさそうだ。
自分のやりたい事がある中に、男女の関係もちょっぴりある感じ。
カオルのようにど真ん中に、恋愛がある訳ではなさそうだ。
それはそれで物足りない。
別に今はまーさんもいるし、すぐにどうこうなりたい訳ではないけど。
色っぽい会話のひとつでもないと、ときめかないではないか。
そんな中、婚外恋愛のキッカケになったNくんは、しつこくデートの誘いをかけてくる。
体調不良で断ってきているが、ちょこちょこ様子伺いのLINEがくる。
直接的にエロいメッセージが来る訳ではないが、明らかに下心は感じる。
そしてそういうLINEの方が嬉しいと感じてしまう。
ああ、こういうことなんだよなぁ。
私に純粋な男友達がいないのって、こういうところにあるんだよなぁ、、、
気兼ねない男友達が欲しいと思いつつも、女として見られたいし扱われたい。
ただの男友達なら女友達で充分な気がしてしまうから。
やっぱり、女としての自分を求めて欲しいんだよなぁ、男性には。
シンちゃんは若い頃と変わらず、自由にやりたい事をやっているようで。
そんな自分に夢中な男は、今も昔も好きになれない。
カオルは、無趣味な男が好きだ。
私のことが趣味、と言ってくれる男が好きだ。
やりたい事が多すぎる男は、外ばかり見て、私を見てくれないからイヤだ。
そんな事をシンちゃんと再会して再確認できたし、女として求められたいという、自分の欲求も確認したカオルだった。