「BUTTER」       柚木麻子


初読みの作家さん。

レビューを読ませて頂いたらとても興味を惹かれて読み始めた。

若くも、美しくもない容姿の梶井真奈子は次から次へと男から金を貢がせ殺害容疑で逮捕される。

その事件を追う女性記者とのやりとりはぞっとする。

そして、とにかくバターを買いたくなった。笑

彼女から語られるバターを使ったレシピを再現したくなる、不思議な作品。

読み始めは、カジマナの事件の真相を究明する内容だと思っていたが、そればかりではない。

カジマナを取り巻く女性記者やその友人、先輩、恋人、家族。

それぞれが濃厚なバターのようにカジマナに操られ、絡め取られていく。

ラストはなんだか呆気なく、予想外でボヤけてしまったイメージだった。

読了後、自宅の冷蔵庫にはバターが何種類も買い置きされ、使われる時を待っている。笑