先日こちらカイロでムウジーカアラベイヤ(アラブ音楽)
الموسيقى العربية al-mūsīqá al-‘Arabīyah コンサートに招待を受けたので行って参りました。
多数のエジプト有名な音楽家やダンサーが招待されており、
写真はスターダンサー&女優ルーシー。 
  
以前アハランワサハランの同じクロージングパーティショーで踊り、お会いした時以来でした。
かなりお年を重ねられましたが、彼女の夫が所有するナイトクラブで今まだ踊っているというから素晴らしい。彼女のショーでは歌も歌ったりする。
その他にもマハムッド・レダ国立民族舞踊団出身フォークロールのマロアもいました。

ここはオペラのようなホールでなく
とても大衆的なコンサート会場。

エジプトの熱気あるお客さんいっぱいに会場は溢れていました。
エジプトは革命に失敗したり色々困難に面しておりますが、
「エジプトは今もなお健在」そんな嬉しい気持ちになりました。
これこそまさにタラブ、マアウェール、エジプトの良き時代のシャービ曲目が次から次へと演奏されていきます。シャービー(大衆的音楽)種類は実に様々でよく、ベリーダンスに使われるのは路上スタイルやお祭り的なボンバカしたもの。ノリは確かに良いがちょっとうるさく感じる時もある。
なんせスピード速く電気音がほとんどで歌詞の意味がない。
そんなのだけをシャービーと思っている人が多い。
そうではなくて、
A.ムトッリブ、A.ガン二、A.アジーズアハマッド、カレンマハムッド、そしてM.ロジディ、A.アアダウェイヤこうした昔からの偉大なシャービー歌手の流れ、
その時々のシャービースタイルと その時代時代のエジプト人々に好まれるテイスト、
そうした今までのシャービーへの変化と違い。
こうした事も、今回の2016年春 木村カスミジャパンツアーWSでじっくり説明し
伝えていきたい。シャービーの捉え方が全く変わっていくでしょう。
それと今回東京WSでアブドルハリーム大作の中の一曲を振り付けにおいて
どうしても触れなくてはいけないのが、口語方言歌詞と文語的歌詞カスィーダ。
なぜならそれを知ることはその曲はどれにカテゴリーされるか理解できる大きな要因。
カテゴリーを知る事は踊るスタイルを決定出来る。
いつも話しているように、
アラブの曲がかかればなんでもベリーダンスを好きなように踊ればいいわけではないので
本格的にベリーダンスを学ぶ上に於いて、リズムの知識と共に是非知って頂きたい。

コンサートでの素晴らしい音楽に感激しながらしみじみ思った。
演奏されている曲には自分のダンスショーにも使っている曲があった。
しかしベリーダンス楽団とこうしたムウジカアラベイヤ楽団の大きな違い。
それはじっくりと聞き入ってしまう。まるでその音の中に歌詞の内容に自分の生きてきた経験を重ね合わせ共感させ一人一人が自分の感性で楽しむ。
しかしそれが不思議なグルーブとなり会場を包み込む。
踊りもそうだけど、人を感動させるアーティストには「私凄いでしょ」的な気負いがない。勢いだけやただ言葉を感じるだけではない、感じ入る、自分の中で一度消化しきった熟した表現力が必要。テクニックの表面的なだけでは 迫力あるなんか元気だったね印象は出せても人々全てを共感させ感動に巻き込むアート性がない。
本当にアートを追求するにはやはり自分の身口意をあまり汚してはいけない。
なぜなら
この世の我々人間は、実は自分も他人もないようなどこかで一つに繋がっているように思うから。
エジプトにいると知識を得る機会には何よりも恵まれていますが、前のブログにも書いたようにその生きた知識を本当の意味で消化吸収し自分の教養にさせる力。
そのためにも自分の生き方はとても大切。
その生き方と教養とパフォーマンスが、
このコンサート音楽のような絶妙なハーモニーで重なり合い、
多くの人々をgrooveに巻き込む。

カイロで主催しているたタブラ教室に、
以前、特別にある有名なムウジーカアラベイヤ楽団長&音楽大学教授を 


お招きして講義をお願いした時があった。
その時の様子などだいぶ前のmixiブログで綴っているので参考にどうぞ。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1901802043&owner_id=23791445
こうしたクオリティ高い芸術性溢れる音楽に足を運ぶアーティスト達は
他のアーティスト演奏を賞賛しながら、どこまでも謙虚に、さらに自分の芸術を高めようと努め、磨き続ける。
ベテラン大御所のスター ルーシーさえも、いつも素晴らしい音楽に触れながら
ご自分の踊りをさらに高める為に、感性を豊かに磨き続けているように感じました。