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ミニシアター「岩波ホール」総支配人として内外の名画を日本に紹介、映画を通して国際交流に努めた文化功労者の高野悦子(たかの・えつこ)さんが9日、大腸がんのため死去した。83歳だった。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は岩波ホール支配人でめいの岩波律子(りつこ)さん。
旧満州(現中国東北部)生まれ。昭和19年、富山県に疎開。日本女子大卒。27年、東宝に入社し文芸部で制作企画調査を担当。映画監督を志して33年、パリ高等映画学院監督科に日本人で初めて留学。37年に帰国、テレビドラマの脚本、演出を手がける。
43年、岩波ホール(東京・神田)の創設に伴い、総支配人に就任。映画講座を開講し、講師に著名監督や原作者らを招いて名作を上映。津軽三味線などの民俗芸能や、現代美術、ジャズなどの講座、アングラ演劇上演なども好評を得た。
49年、東和(現東宝東和)の川喜多かしこさんとともに、岩波ホールを拠点にした名画上映運動「エキプ・ド・シネマ」を主宰、ミニシアターの先がけとしてインド映画「大樹のうた」を皮切りに、「木靴の樹」「旅芸人の記録」など世界の埋もれた名画の発掘・上映を続けた。56年、かしこさんとともに菊池寛賞を受賞。ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督をはじめとする海外の映画人とも交流を重ねた。
東京国際女性映画祭ゼネラルプロデューサー、東京国立近代美術館フィルムセンター初代名誉館長(平成19年8月退任)。平成元年、芸術選奨文部大臣賞受賞。
著書に「シネマ人間紀行」「黒龍江への旅」「女性が映画をつくるということ」など。
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