監督の指が指している先には誰がいるんだ!
立ち上がって、グッと一点を指しているこの指先。
わなわなと震える唇、射抜くような力強い視線、赤く硬直したほう、そして震え上がるようなあたりに響き渡る声。
誰だ!
きっとこの指先の先には、不幸を一心に背負ったような目をして、背中を丸めて自信なさげに立っているいたいけな少女の仮面をかぶった、小悪魔がいるんだろう。
なぜ叱責されたんだろう。
考えろ。
2度目は無いと思え。
修正しろ。
もう余裕を見せているほどの時間はないんだぞ。
すぐに引退するのか、少しでも長く現役としてプレイするか。
よく考えろ。
引退が決まれば、この前の堤小の練習試合のように、新チームの試合がメインになるんだぞ。