従妹の話 その2
従妹の話です。
従妹は、母親が出て行ってから、近所の叔母の助けを借りながら、
祖母と二人っきりの生活を余儀なくされました。
祖母は、内孫というのもあったのだとは思うけど、
かなり祖母に溺愛し、育てられました。
祖母は、農業をしていた関係、土地が豊富にあり、
ラッキーなことにそこの土地の開発が進み、
かなり好物件であったため、その土地を運用して、
アパート経営をし始め、経営は順調のようでした。
叔母が、彼女の将来の為に、骨を折ってくれたのでした。
毎月、家賃収入が入り、
生活は、安定していたというより、裕福すぎるくらいでした。
約10年前、祖母は90歳で亡くなりました。
祖母が亡くなったことが、
従妹にとって、精神的なダメージが大きかったことなのでしょう。
彼女は、うつ病に掛かってしまったのです。
感情の起伏が激しく、調子がいいときは、とてもおしゃべりになり明るいのですが
うつ状態になると、無口になり気持ちが沈みがちで、被害妄想がひどくなり、
ちょっとした言葉のニュアンスで、
何気ない会話の途中で泣き出してしまうことも度々でした。
祖母が亡くなり、一人ぼっちになってしまった彼女を心配し、
叔母が彼女に見合い話を持ち出したのです。
その話は、周りが驚いてしまうほど、とんとん拍子に話しが進み、
お見合いして3ヶ月足らずで、婚約までたどりついたのです。
叔母をはじめ、親戚一同、一安心したのでした。
そして、彼女が結婚してから10年目が経ったある日のこと、
叔母から電話がありました。
「○○(従妹)の旦那が、去年の11月から家に戻ってないそうだよ」
と、電話がありました。
ついに、来ちゃったか ともみは、特に、びっくりすることもありませんでした。
なんとなく、結婚当初から彼女からの話を聞くたびに、
夫婦らしくない、意志の疎通がないというか、
お互い違う方向を向いているように感じていました。
去年、彼女のお家へお邪魔する機会があったのだけど、
そのお家におじゃまして愕然としました。
旦那さんがおもちゃとマンガ本のマニアだと話には、聞いていたけど、
これほどまでとは...
彼女の自宅は、5LDKの大きなお家の2部屋がほとんど、
マンガ本と人形で溢れていたのです。
まだ、袋に入っていて開封してないものも多数ありました。
それと、1部屋がマンネン床で、布団がしきっぱなし
多分旦那さんの部屋みたいなんだけど
そこだけは、タバコ臭くて、空気が悪くて、独身の男の部屋って感じでした。
とっても立派な家なのだけど、
中身は、家庭の暖かさが感じない冷たい家だったんです。
叔母の話だと、旦那さんは、結婚当初から、
家に5万円ほどお金を入れるってことになっていたらしいんですけど、
ここ2年くらい、一銭も入れていないんだそう
でも、普通の家庭だったら、お給料は、全部奥さんが管理して、
その中から旦那さんが
おこづかいをもらうってパターンが多いのだと思うのだけど
彼女は、彼女自体がアパートのオーナーをやっていて、
それなりな定期的な収入があった為か、最初にそういう話にしたそうです。
ともみも最初その話を聞いた時、なんとなく違和感を感じていました。
じゃあ、ここ2年くらいは、旦那って言うより、
本当に居候みたいな感じだったんだね。
「結婚したから、いいなって思ってたんだけど...こんなことになるなんて...」
と叔母もちょっと自分がお見合いを薦めたことを
少し責任を感じているように思いました。
普通だったら、旦那が帰って来てないってことになったら、
職場へ連絡しますよね。
でも、彼女は、一切連絡をしてないそうです。
そして、叔母が、弁護士を頼んで相談してみることを薦めたら
「あんな男のためにお金使いたくない」と言ったそう
弁護士を頼むのって、旦那の為じゃなくって自分の為だと思うんだけど...
なんだか、彼女が考えていることが全く理解できない
叔母も困り果てていたようでした。
でも、夫婦のことだから、夫婦でしか分からないことがあるし、
彼女自身が乗り越えていかなくちゃいけない問題だよね。
今までの彼女の人生は、
確かに幼少時代は、とても不幸な境遇なことがあったけど、
今までの彼女を見ていると、
周りが敷いたレールの上をただ単に乗っていただけだった気がする。
これを機に本当の独立、
本当の独り立ちをして、今度は、自分の足で地に足をつけて、
旦那さんとの問題に立ち向かってもらいたいと心から願います。