二日目の昼、私と夕子先輩は出身中学へ来ていた。ふたりの想い出の場所だったので、最近買った携帯で写真を
撮りあいっこした。
もちろん部活でボールを追いかけていた体育館も。
「私、あの頃ここで一緒にボールを追いかけていた夕子先輩に祐巳様を重ねていたんです」
「祐巳さん?ああ、一年の学園祭のときの。たしかにわたしに面影が似てるかも」
「でしょう?で、祐巳さまのことも夕子先輩のことも憧れていたし、理想の人物像を作り上げていたんです。でも祐巳さまは全否定しないでくれて…。だから夕子先輩のことも今こうしてずっと好きでいられるんです」
マリア様の星、祐巳さまはそうたとえてくれた。今でも可南子の宝物だ。
「そっか。可南子も色々悩んでたんだね。ごめんね寂しい想いさせて…」
「夕子先輩…」
そこでフラッシュが光った。
「ごめんなさい、いい雰囲気だったから」
顔を見せるは写真部の3年松組の武嶋蔦子さま。そして、
「細川可南子さん親しいお姉様との地元での語らい、お姉様いい記事書けそうです」
「そうね」
新聞部の3年松組山口真美さまと部長の2年椿組高知日出美さん。ちなみに日出美さんとは同じクラスだ。
だけど、3人ともなんでこんな地方なんかにいるのだろう。
「日出美の実家が新潟にあるってことで里帰りデートなの。ついでに可南子さんのところにも近いからって取材にきたのよ」
「ちなみに私は真美さんたちに誘われて」
お三方とも偶然の遭遇である。
「じゃあ、もっと素敵なツーショット撮ってもらいましょうよ、可南子」
「ええ」
新潟の空に小気味よいシャッター音が響いた。