仮想通貨の脱税を防ぐため、日本を含む48カ国が取引情報の交換に向けて協力することになりました。
英国やシンガポールなど、世界中の多くの当局が、仮想通貨取引における脱税を防ぐために、48カ国が情報の共有に参加する計画を発表しました。
この枠組みには、日本、米国、英国、シンガポール、オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、メキシコ、オランダ、ノルウェー、南アフリカ、スペイン、ケイマン諸島など、さまざまな国や地域が署名しました。
この枠組みは、経済協力開発機構（OECD）がG20の要請を受けて開発した、税務当局間の情報共有に関する新しい国際基準で、"暗号資産報告フレームワーク（CARF）"と呼ばれています。
CARFによる情報共有は、2027年から開始される予定です。英国財務省はこの枠組みが広く採用されることで、税務コンプライアンスを確保し、脱税を防ぐ手段を一層強化できると述べました。英国では、CARFを国内法に移行させ、2027年までに情報の共有を始めるための法的措置を進める予定です。
CARFを批准する日本でも、国内法の整備が進行する見通しです。この枠組みの導入により、例えば日本在住の投資家が海外の取引所を利用した場合、その情報が現地の税務当局を介して日本の税務当局に提供されることになります。
報告の対象となるサービスプロバイダーには、取引所やブローカー、仮想通貨ATMオペレーターなども含まれます。
また、ステーブルコインや特定の非代替性トークン（NFT）も報告対象とされます。
英国財務省は、情報の共有を強化し、脱税の隙間をなくすため、他の地域にも参加を呼びかける意向を示しています。
一方で、CARFに署名しなかった国々もあり、中国では仮想通貨取引やマイニングが禁止されており、CARFへの参加がどのように検討されるかは不透明です。中国では規制を回避して取引を行う市民も存在しますが、中国人民銀行は仮想通貨取引に厳格な取り締まりを行う姿勢を示しています。
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