テザー社は、シンガポールでのUSDTの規約変更に関する噂を否定しました。
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社の最高技術責任者（CTO）、パオロ・アルドイノ氏は、25日に発生したシンガポールでのサービス利用規約変更に関する噂について反論しました。
アルドイノ氏によれば、シンガポールでのUSDTサービス提供に関する規約変更は、実際には2020年5月に行われたものであり、今回の変更は突然のものではないと説明しました。噂を信じる前に、情報源を確認するよう呼びかけています。
この噂は、シンガポールを拠点とする暗号資産アプリBakeのCEO、ジュリアン・ホスプ氏が、テザー社から送られてきた規約変更に関するメールを公開したことから始まりました。メールには、テザー社がサービスの制限を強化し、シンガポール拠点の事業体、取締役、株主がテザー社のサービスを利用できなくなったと記載されていました。
Bakeはシンガポールを拠点とする別の事業体によって支配されており、そのためテザー社のプラットフォームを使用できないと説明されています。
ホスプ氏はこのメールを受けて、「当社はシンガポールに拠点を置いているため、USDTを米ドルに交換できるかどうか分からない状況です。」と述べ、最近テザー社の規約に変更があったことを報告しました。
ネット上では、この変更がシンガポールでの大規模なマネーロンダリング事件と関連しているのではないかという憶測が広がりました。シンガポールの警察は8月に大規模なマネーロンダリング活動の捜査を行い、10人の容疑者を告発し、莫大な資産と仮想通貨を差し押さえたことが発表されています。さらに、シンガポールでは仮想通貨に対して慎重な態度を示してきたターマン・シャンムガラトナム前シンガポール金融管理局（MAS）長官が次期大統領に選出されたことも、人々の不安を高めました。
アルドイノ氏の発言により、シンガポール当局に関する噂が鎮静化したと言えますが、なぜこのタイミングでBakeに対してプラットフォームが利用できない旨の通知が送られたのかは不明です。一部では、利用停止がBakeプラットフォーム固有の問題に関連している可能性も議論されています。
また、シンガポール金融管理局（MAS）は8月にステーブルコインの規制枠組みを発表し、一定の条件を満たす場合、MAS公認のステーブルコインとして認定できると述べています。
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