数か月の間に、2.5億円相当の仮想通貨を押収しました。
米連邦捜査局(FBI)は21日、最近の捜査で押収した資産の一覧を発表しました。2023年3月から7月にかけての数カ月間に、約2.5億円(約170万ドル)相当の暗号資産(仮想通貨)を押収しています。
押収された仮想通貨の中で一番多かったのはイーサリアム(ETH)で、約1.2億円(80万ドル)相当のトークンが押収されました。特に、バージニア州東部地区では約6,800万円(46万3,811ドル)相当のイーサリアムが没収されたそうです。ステーブルコインも多額が押収されました。
バージニア州東部地区では米ドルに連動したステーブルコインであるダイ(DAI)が約6,850万円(46万9,000ドル)相当押収されています。USDTの押収事例も8件あったとのことです。
その他には、約2,150万円(147,000ドル)相当のビットコイン(BTC)や約29万円(20,000ドル)相当のモネロ(XMR)が含まれていました。
ミームコイン銘柄では、約29,000円(200ドル)相当のドージコイン(DOGE)が押収されたそうです。
FBIは、どこから押収されたかについても記録しています。ハードウェアウォレットや仮想通貨取引所のアカウントから押収しており、その中でもバイナンスのアカウントが46件の押収事例で一番多かったそうです。
FBIは2022年2月に、仮想通貨関連犯罪の取り締まりに特化した特別ユニット(Virtual Asset Exploitation Unit:以下、VAEU)を設立し、捜査体制を強化しています。
仮想通貨関連の詐欺やハッキングについても警告を発してきました。22年9月には、DeFi(分散型金融)プロトコルでハッキング事例が多発しているとして注意を呼びかけていました。
サイバー犯罪によって投資した仮想通貨を紛失した場合、FBIに連絡することも促してきました。
最近ではFBIは5月、人々を東南アジアに誘い込んで、無理やり仮想通貨詐欺を行わせる人身売買組織についても警告を発していました。こうした犯罪組織は、ソーシャルメディアやオンライン求人サイトなどに虚偽の広告を掲載します。偽の求人は、コールセンターの顧客サービスや美容院のスタッフなど多岐にわたり、高額の手当、給与、宿泊施設などを約束して人々をおびき寄せることが多いです。
しかし実際には、現地に到着すると被害者はパスポートを取り上げられ、脅迫を受けて、無実の人々を騙す仕事に強制的に従事させられることになります。
FBIは、こうした詐欺の求人に引っかからないために、いくつかの事項を提示しています。応募する前に、広告主企業について調べること、あいまいな言葉で語られる雇用条件や、雇用詳細を明かしていないことに警戒することを推奨しています。
また異常に高い給与や多くの特典を提示している場合にも注意するべきだと述べています。
実際に5月には、フィリピン当局が、人身売買の被害者1,000人を救出した事例があります。この人々は、1日最大18時間、無理やり仮想通貨詐欺に従事させられていたそうです。当局は首謀者とみられる12人を逮捕しています。
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