イーサリアムネットワークが行なっているプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスモデルへのアップグレードが近づいている。
イーサリアム財団の研究者であるダニー・ライアン氏によると、ビーコン・チェーンに対する最初のメインネットのアップグレードとされるAltairは、エポック74240(10月27日付近)に実施される予定だ。イーサリアム2.0ではフェーズ0からフェーズ2.0まで4段階で段階的にアップグレードを行うが、ビーコンチェーンはフェーズ0での主要開発項目だ。ビーコンチェーンとは、PoSでブロック生成を担うバリデーターの管理を行うブロックチェーン。
ライアンは、今回の技術的なアップグレードについて次のように説明している。
「今回のアップグレードでは、コアコンセンサスにライトクライアントのサポートが導入され、ビーコン状態のインセンティブアカウンティングがクリーンアップされる。バリデータのインセンティブに関するいくつかの問題が修正され、EIP-2982による懲罰的パラメータが導入される」
EIP-2982では、PoSが経済的に安全であることを保証するためにインアクティビティ・リーク(Inactivity leak)と スラッシング(slashing)という「懲罰的パラメータ」を導入している。インアクティビティ・リークとはバリデータがオフライン状態が続く場合に行われるペナルティ。これを設けることで常にバリデータがオンライン状態となるインセンティブを与える。スラッシングとは、チェーンの複数の提案されたバージョンに署名するバリデーターを罰し、「Nothing at Stake」の問題を解決するもの。
イーサリアムのロンドン・ハードフォークは、8月5日にほぼ予定通りに実施され、待望のEIP1559案が実装された。EIP-1559は、ベースフィーをバーンすることでETHの流通量を減らすことができるため、デフレ脱却のためのスイッチとして注目されていた。
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