よく、「女の気持ちは男にはわからない。男の気持ちは女にはわからない」と言われる。もちろん、女性特有の考え、男性特有の考えというものもあるが、基本的には同じ人間。女性が男性にして欲しいと願う優しさと、男性が女性にして欲しいと願う優しさに変わりはないし、裏切って欲しくもないし、裏切りをしたくもない。裏切りをする輩は女性でも男性でも同じ。自分が裏切られるのを恐れて防御のため他人を引き込む。もし、自分が本命でなかったとき、逃れるための用意をしておく。そんな輩は結局最期まで"自分、自分"、自分のことしか考えないし、それもプラスではなくマイナスが来たときのフォローとしての"誰か？"ということ。
飲み屋で会った元アダルトビデオの女性は最期、自ら命を絶った。一時の快楽を求め彼女に優しくした男もいるだろうし、彼女は彼女でそれを引け目に関係を保証させるような歪んだ関係性の末、互いに真(まこと)に対し嘘をついていれば、別れるしかない。それでも人間関係なんてそんなもので、子供が出来てしまったから…とか、年齢的にまぁ良いか？とか、そういうのがごく当たり前であろう。
ただ、そんな中本当の愛が育まれることもある。見合い結婚で相手の顔すら知らない男女が結婚をして子供を産み育て、人生の最後にしあわせだった。と笑えることもある。それもただ、タイミングってあると思う。なぜ？彼女がアダルトビデオに出なければならなかったのか？新型コロナウイルスに巻き込まれなければならなかったのか？本人のせい？違うと私は思う。彼女が言っていた。
「一番気持ちよかったSEX何だか分かる？」
20代の若い男が飲み屋で彼女に彼女がアダルトビデオの女優だったことを知り、色々話しているときに彼女が投げ掛けた問。
「テクニックとかサイズとか、それってあるでしょう？」
若い男の答えに彼女は
「バカね。愛よ」
と彼女は答えた。若い男は不満そうだった。快楽を与えることやお金が男の価値観だと思っていたからだ。
「あんたさぁ、相手の女性のこと好き過ぎてすぐイッちゃったことないの？そういうことよ」
この話のあった数日後、彼女と飲んだとき
「結局さ、男も女も同じよね」
「どういうこと？」
「あの若いのが言っていた女の絶頂ばかり気にしていたけど、女は女で自分がその男にとって唯一無二の女であるか？不安だった。妊娠を言い訳に愛を互いに押し付けようとして行為をいくら繰り返しても無駄よね」
そんな話を思い出しながら、警察の方に話を聴かれ
「アダルトビデオの女優さんしてたのかぁ。はぁナンマンダブ、ナンマンダブ…」
と、手を合わせる30代くらいの警察官の姿に何故か？ちょっとホッとして家に戻った。