A子71歳 P18 | 風合瀬のブログ

風合瀬のブログ

ブログの説明を入力します。

     コロナ禍、夜の仕事はかなり批判された。キャバクラやホストなどで、国や都道府県の決まりを破り営業を続け感染者を出した店もあったから仕方ないところもあるけれど、銀座などのクラブの女性が批判の的になったのは許せなかった。夜の仕事をする女性などへの給付を許せないという一部の批判。


「銀座のクラブの女になんか、オレらの税金から支払われるのは腹立たしいんだよね」


    この発言があったからだろうか?この発言はある有名芸人で、その芸人は後に女性問題でずっと謹慎を余儀なくされている。彼いわく、銀座のクラブの女性は稼いでいる。だから、給付などする必要がない。というもの。実際は銀座で数千万稼いでいる女性がいるというのは、昭和から平成の初期までのバブルの話しで、その後メディアなどで取り上げられる女性は特別で、銀座でクラブなどで働く女性はかなり生活が苦しいのが現状。多くは子持ちでしかもシングルマザーか、家の事情で仕方なく働いている人が一般的。午前中や昼間にバイトをして、それでも足らないから夜の仕事をしている。かといって、銀座と言えども大金は稼げない。子供を預けたりすれば、生活はギリギリ。預貯金もなくコロナ禍で風俗に行く女性も少なくはなかったのが現状。

    そんな現状を知らず、銀座の女性=荒稼ぎしている、というバブル時代の記憶で身勝手な憶測で批判をした大物芸人が、女性問題で引きずり下ろされた理由は、そういう背景があったのかも知れない。


    店長から呼び出され料理を教えているとき、


「私、立ちんぼしようかな?って思っていたんです」


と、ある女性から打ち明けられた。彼女は未婚のまま一人息子を育てていた25歳。朝、パン工場で働き、昼間はスーパーのレジ打ち、夜にキャバクラで働いていたのだが、昼間のスーパーがコロナ禍で人員整理でクビとなり、キャバクラまでなくなってしまうと生活が成り立たない。区に生活保護の申請を出したが受理されず、立ちんぼでお金を稼がないと行けないところまで追い込まれていた。


「ダメよ。絶対ダメ!風俗がまずダメ。それでも風俗で働くとしても、店舗ないところは病気や暴力事件に巻き込まれるからね。それに、避妊なしで○○円出すから、なんて言われて断れなくて、結局子供出来てしまう。女はさぁ、そういうとこ弱いじゃない。変に吹っ切れてどうでもよくなって…それでおろせればよいけど、それも出来なくなって…。だからね、ギリギリ頑張りなさいな」


    私はなんとか彼女をなだめた。コロナ禍、色んなモノを抱えた女性が、これまで一所懸命頑張ってやって来たけれど、コロナ禍でトドメをさされ体を売るしかないところまで追い込まれた。