コロナ禍、家にいてもすることがない。じっとテレビを観ている。日本での感染者数、世界での感染者数が更新される。
「タレントが専門家みたいな口利いて!」
私はこれでも国立大の理工学部を出ている。ウィルスが生き物ではないことも知らないタレントや、感染症専門医とされる"ヤブ"が腹立たしい!
「医者は医者でしかないのよ。ウィルス専門家はテレビに出ないのね?」
ウィルスの専門家なら、ウィルスの特性を知っている。私は…
『彼ら(ウィルス専門家)は初期の段階で国に進言していたはず。黙殺されたのね』
などと考えていた。
「チリリリリッ♪チリリリリッ♪」
スマートフォンが鳴る。
「もしもし…」
懐かしい声が嘆いている。十年ほど前まで、私はキャバクラの調理場で仕事をしていた。その頃、よく面倒をみていた店長からの電話。
「さすがにヤバいんだよねぇ、コロナ禍。どうしよう?」
「女の子たちはどうしているの?」
「そりゃ、店開けないからさぁ。風俗行く子とかいるんだよ。でも、どうしようもない」