かたること つたわること -3ページ目

かたること つたわること

書くことと語ることとか(いろいろ未定)

2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1564ページ

ノルウェイの森 下 (講談社文庫) ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
読みにくさを感じた上巻に比べ下巻は先が気になり一気読み。雰囲気はいいけどいくら60~70年代とはいえ19やハタチの男子学生がこんなに巧みに言葉や手紙で気持ちを表せるものだろうかという違和感と、「~なのよ」という女性たちの断定口調が耳障りで困った。ラストに近づくにつれ作家自身が高揚していて筆が滑っている気がしたのが残念。才能ある作家ゆえという気もするけど、できればもう少し丁寧に描ききったものが読みたかった。
読了日:02月02日 著者:
村上 春樹


イン・ザ・プール (文春文庫) イン・ザ・プール (文春文庫)
気になっていたところドラマ化されたため遂に手を出しました。精神科医ということで、もう少し重いかなと思ってたのがコミカルに徹していたので楽しく読めました。伊良部のような突飛な人に相談したら悩んでる自分がバカらしくなりそう。爽快、痛快、そして感動も。「駆け込み寺があるのはいいものだ」とは、誰もが共感する思いかも。
読了日:02月08日 著者:
奥田 英朗


パーク・ライフ (文春文庫) パーク・ライフ (文春文庫)
毎度のことながら着地点の予測がまったくつかない作家だなあという感想。ワタシは好きだけど、表題作「パーク・ライフ」の方は特に評価が分かれると思う。物語性を期待して読んでしまうと相当がっかりするのでは。「flowers」の方は比較的わかりやすく吉田修一らしかったのでホッとしたり。「嫌いな奴のことが、そんなに嫌いじゃない」というセリフが最後まで残りました。
読了日:02月12日 著者:
吉田 修一


春、バーニーズで (文春文庫) 春、バーニーズで (文春文庫)
風に煽られるような生き方をしてきた若者が、着地点を見定めてみようする。ふと見えてきた人生は甘くもあり切なくもあり、そしてやっぱりどこまでも不安定だけれど、自分だけの場所はどこかにあるはず。そんなメッセージを感じた。父親の「まずは、今やれること、一生懸命やってみろ」という言葉がシンプルでいい。義母の作るバターと苺ジャムがたっぷりと塗りつけられたトーストも妙に印象的。そうか続編だったのか、で、『最後の息子』を再読したくなりました。
読了日:02月14日 著者:
吉田 修一


ランドマーク (講談社文庫) ランドマーク (講談社文庫)
「ぜんぜんイライラすることがねぇから、わざとイライラするようなことしてんじゃねぇか」という身もフタもないようなセリフにギョッとさせられた。一見捨てバチに見える巷の若者たちの、実はこれこそが本心なのかも。そしてまたこれこそが、吉田作品に多い不可思議な行動を取る若者たちの衝動の理由なのかもという気がした。
読了日:02月17日 著者:
吉田 修一


ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11) ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11)
ストーリーとしてはどうかと感じるところもあるけれど、交通事故を確率の問題だと開き直る加害者に対する警鐘としてはかなり有効だと感じました。何億分の一秒後には死ななければならないという瞬間の描写がリアルで怖かった。翌日から確実に安全運転度が高まりました。
読了日:02月22日 著者:
東野 圭吾

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