かたること つたわること -2ページ目

かたること つたわること

書くことと語ることとか(いろいろ未定)

4月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1451ページ
ナイス数:37ナイス

赤々煉恋 (創元推理文庫) 赤々煉恋 (創元推理文庫)
朱川湊人は読むごとにどんどんイメージが変わる。今回もまた驚きと共に読んだ。こうした耽美は生々しさの度合いが難しいと思うがそこがうまく調整されているのは男性作家ならではなのかな。コンパクトにまとまっているところもテレビ的でイメージしやすい。傑作です。「死体写真師」と「いつか、静かの海に」がいいと思って読了したが、あとあと気持ちに残っているのは「アタシの、いちばん、ほしいもの」の虚しさと切なさだ。母と娘って難しいなあ(母としての実感)。
読了日:04月02日 著者:
朱川 湊人


余命 (新潮文庫) 余命 (新潮文庫)
松雪泰子主演で映画になったお話(かな?しかも未鑑賞ですが)という前提で読んだので、いかにも涙を誘うストーリーなのかと思いきや、あっけないほど淡々としていて逆に好感が持てた。自分の生き方をたったひとりできっぱりと決めて進む滴と、そんな滴を海のような愛でくるみこむ良介。二人の命の結晶の瞬太も含めて、ひとりの生き方が及ぼす力の強大さを思った。谷村作品は初めて読んだけど、女性ならではの視線もありながら情感に走らずストーリーをぐいぐい進めていく筆致が良かったです。他の作品も読んでみたい。
読了日:04月13日 著者:
谷村 志穂


夜行観覧車 夜行観覧車
母対娘、母対息子のやり取りが身につまされた。胸の内を全て言葉になおせばこんなふうになるんだなあ、という感じ。日常生活を無難に送るためにあえて考えないようにしている部分をこれでもかと晒す湊作品。いつもながら「勘弁してくれ」と悲鳴を上げながら読んだけど、それでも、なのか、だから、なのか、結局また「湊作品なら読んでおきたい」という気にさせられるに違いない。今回、読了感は良かったし、涙もした。登場人物それぞれのイメージが徐々に変わって行く中、さと子のイメージの変化がいいポイントになってました。
読了日:04月15日 著者:
湊 かなえ


傍聞き (双葉文庫) 傍聞き (双葉文庫)
良い人、心優しい人ばかりの話。課された謎はどれも途中でだいたい予想がついたものの、読後の爽快感が心地よかった。それぞれの登場人物が魅力的で別れ難く、別の話で再会したいと思わされた。特に『899』の諸上が気になります。
読了日:04月18日 著者:
長岡 弘樹



往復書簡 往復書簡
手紙を介するからこそ生まれる物語。湊かなえの持ち味が最も巧く出る手法ではないかと感じた。今まで読んだ湊作品の中で一番心地よい読後感だった。どんでん返しは悪い方に転がらない方がいい。そこを物足らなく感じる読者もいると思うけど。『十五年後の補習』が、出来すぎ感も含めてお気に入りです。
読了日:04月23日 著者:
湊 かなえ


2012年4月の読書メーターまとめ詳細
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