4月の読書メーター == ラヴクラフトから三浦しをん == | かたること つたわること

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書くことと語ることとか(いろいろ未定)

4月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1213ページ

ラヴクラフト全集〈別巻 下〉 (創元推理文庫) ラヴクラフト全集〈別巻 下〉 (創元推理文庫)
緻密な構成と微細に渡る描写が、何層にも塗りこまれた重厚な絵画を思わせる。キャンバスにはりついた一筋の画筆の毛と思われたものが、おぞましい生き物として蠢き観るものを脅かすさまが、詩的な背景を持って迫る場面もあって、圧倒される。……ということがわかるにはよほどの怪奇小説好きでないと難しいのではないでしょうか。こうした作品を読みたかったわけではないワタシは読み込むのにずいぶん難儀いたしました。正直、読み手を選ぶ小説だとは思います。
読了日:04月02日 著者:
H.P. ラヴクラフト


月魚 (角川文庫) 月魚 (角川文庫)
なんだこの濃密さは、と思っている間に完全にひきこまれました。互いを慈しみ過ぎて保つ二人の薄絹一枚隔てて触れ合うような距離感が絶妙です。この妖しく危うく絶妙なさじ加減を描くための背景には古書しかない。そして「書物」自体にこれほど濃厚に命を吹きこむことができるのも三浦しをんしかいない。圧倒的な魅惑の一冊。
読了日:04月06日 著者:
三浦 しをん


秘密の花園 (新潮文庫) 秘密の花園 (新潮文庫)
カトリック系女子高校に通う、那由多、翠、淑子。性格の異なる3人の少女の独白によって紡がれる物語は、「繊細な10代」などというくくりを軽く突き抜けて、驚くほど粘度が高い。淑子を思いながら「ノアの方舟」と「パンドラの箱」を語る那由多と翠。厄災なのかもしれなくても、残された希望を信じたい。そう思わせてくれるラストでした。
読了日:04月11日 著者:
三浦 しをん


夢のような幸福 (新潮文庫) 夢のような幸福 (新潮文庫)
「どうでもいいこと」のなかから、「私の喜びや哀しみは生じてくる」――あとがきに書かれている通りの信念(?)に忠実に従って脳内パワーを全開させたおなじみしをん氏のエッセイ。面白いにもほどがある。電車で読み耽って吹き出しまくり、大変な目にあいました。そんなワタシが林望の解説におざなり感を禁じえないのは、しをん熱が嵩じ過ぎたせいでしょうか?(汗)
読了日:04月17日 著者:
三浦 しをん

読書メーター


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4冊でしたか。そういえば後半まったく読んでいなかった。何を慌ただしくしていたといえば、なんだかボーッとしていたらしく具体的には思い出せないんだけど確実に内装は変化しています。そうです、大々的な模様替えを行っていたはず・・・いやえっと、まだ終わってないので、行っている、のでした。


4月後半はとにかく着手しなければ少しでもなんとかしはじめなければ、の思いでそりゃもう必死。疲れて布団にはいっても模様替えについて少しでもよさげなアイデアをひねり出そうとするのか、妙に頭がさえて寝付けない夜が続いたりとか。きちんと勉強してきたせいで逆に際限のない不安に陥っているまじめな受験生みたいだなんて思ってたなあそんな夜は。ということを思い出した。


相変わらず「しぬ!」と叫びながらも重い家具を一人で無理やり移動させては擦り傷切り傷生傷を自分の体にも家具やフローリングにも容赦なくつけまくっている日々。しかしGWにはいってのんびり(=やる気なく)したその時に、ついについに読みたくてたまらなかった湊かなえの「告白」が文庫になって並んでいるのを書店で発見!その隣には「東京島」(桐野夏生)まであって、二冊まとめて購入、まずは「告白」をば読了。以後それなりに順調に読書生活を営んでいる5月は、現時点でえーと、3冊かあ。読み始めているのが4冊あるので、今月中に読破してしまえたらいいなあと思ってます。


とかこういう書き方だと数こなそうとしているだけみたいだけど、今月何がうれしいかって、読む本ごとに手ごたえを感じること。昨日の夜に一気読みした「ちょんまげぷりん」も、以前だったらこういう軽いのは別に本で読まなくてもよかったよ、などと感じていたかもしれないところが、そうも思わず素直に楽しむことができたし、読む速度も速くなったしで、読書に関してそれなりに進化している自分を感じることと、それにつれてなのか、本の方からワタシの手元にやってきてくれる感覚もあったりするから、数という基準もまた、多い少ないだけじゃなく、巡り合い度を測る上で重要だというふうに受け取って、だからそれなりに多い方がいいかなと。

……あれ ? 結局、数 ? あせる