スティーブ・ジョブズも心酔したマクロビオティックについて | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

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「正しく実行すれば、夢はかなう」をモットーに東洋易学、四柱推命(神機推命)、風水などの秘伝を公開し、自分の夢を実現するとか、悩みの解消に役立つ運命好転化技法を紹介します。

スティーブ・ジョブズも心酔したマクロビオティックについて

「心に響く名言」の「32.スティーブ・ジョブズ」の項でも少し触れましたマクロビオティックについての補足です。

2003年にスティーブ・ジョブズはすい臓ガンと診断されます。医師や家族はジョブズにすぐに手術を受けるように勧めましたが、東洋医学に傾倒していたジョブズは、当初西洋的な医術を頑なに拒否をしたとされています。
民間療法のマクロビオティックを用いて完治を図ろうとしました。
このマクロビオティック(以降マクロと表現します)は、
日本人の桜沢如一が、自分の体験を元に陰陽二元の易の原理から彼なりの考察を含めて確立したものです。




  [桜沢如一]

 

当然、当時(明治末から大正時代の科学的な知見も参考にはしていますが、現在の医学や栄養学の常識から見て間違っていることも多く、如一の著書などを参考にしてマクロを実践することは、
絶対にしないようにお願いします。


筆者はこの桜沢如一の愛弟子という人物からマクロについて学びました。
実際にマクロを実践して、ガンを完治した人物も存じています。
しかし、現代の医学をもってしても完治すること難しいこの病気を、マクロの実践だけで完治することは奇跡に近いと、この桜沢の愛弟子も語っていました。

マクロビオティックとは、玄米を主食とした無農薬・自然農法の穀物や野菜を中心とした食生活や思想法のことです。

「陰陽調和」という東洋の伝統的な世界観に基づいています。

このマクロの基礎は、旧越前福井藩の漢方医で陸軍の医官を努めた石塚左玄「食養法」からきています。
実際に桜沢は若き日の病弱な体質を、この食養法によって改善しています。


左玄の「食養」は、軍医時代の実践活動が基礎となります。
軍隊で、脚気などの病気で苦しむ人に対し、食の大事さを説き玄米食を推奨しました。
1896年に自分の研究成果をまとめた『化学的食養長寿論』を出版しています。
そして、軍医を退官した後に、石塚食養所を開設し、患者の治療にあたります。
この石塚食養所、のちの食養会には全国から患者が殺到したといいます。




[石塚左玄]福井市HPより引用
 

左玄の養生論は、以下の五項目から成り立ちます。

(1)食物至上論(食本主義)
 「食は本なり、体は末なり、心はまたその末なり」
食物が人を左右し、人は食物のとり方によって体格や体力、人相さらには精神的、性格的なものにまで影響を受けると説く。食事が確立してこそ人間が成り立つと説き、心身の病気の原因は食にあり、よって食で病気を改善することができると言う。

(2)陰陽調和論(ナトリウム・カリウム均衡食論)
 食物中にある飽気(あくけ)をカリ塩(陰)、塩気をナトロン塩(陽)と呼び、この二者を合わせて「夫婦アルカリ」と名づけた。
カリウムは、穀類、菜類、果実類、海藻類など全て土および海・川に生じるいわゆる植物性食品類である。 ナトリウムとは、食塩のほかに、川・海などの魚類・貝類やすべて鳥・獣の肉類および卵類のいわゆる動物性食品の異名である。
そして、。この陰陽のバランスをとり中庸を保つことで、
心身の調和がとれ病気を防ぐことができるとしている。

(3)穀食動物論(穀食主義)
 「人類は穀食動物なり」。人間の歯は、穀物をすりつぶすための臼歯20本、野菜類を切るための切歯8本、肉を噛み切るための犬歯4本で構成されており、人類は生まれつき穀類を食べるべき穀食動物であるとしている。

(4)一物全体食論(自然食主義)
作物ひとつひとつにも陰陽があり、根や葉、皮や実のそれぞれにそれぞれの働きがあり、部分部分において陰陽の差があるので、全体を食べてはじめてバランスがとれる(中庸)と説明する。
 「米」なら「白米」より「玄米」、大根なら皮を剥かず、葉もいただく、アクも旨味に変えていただくなど。それは、ひとつのものを丸ごと全部いただくという意味で「一物全体」というわけである。
 
(5)身土不二(風土食論)
「郷に入りては郷に従え」。昔から、自分の住む土地の近く(三里四方)でとれた主産物を主食に、副産物を副食に食べていれば心身は環境に調和し健康に暮らせるという考えがあった。
 それが、身体と土はひとつであるという「身土不ニ」の考えである。
 食料自給率も低く、外国からの輸入に頼る現状ではほとんど不可能なことだが、少しでも地元の野菜、それも自然農法や有機栽培で育てられた食物を取り入れるようにしたいものだ。


このような考え方は彼の生家の漢方医として培われてきた食と健康に関わる経験知が基礎になっていると思われます。従ってそれなりのエビデンスもあり、実際に病気の治療に効果を発揮しました。

桜沢は、この石塚の食養論をベースに、実際の患者と、その患者にどのような食事を摂らせれば、どのような病気の回復に効果があるかを深く観察しました。
そして、自身の考え方を加えながら、マクロビオティックを完成させるわけです。

特に、易の原理に基づき、食べ物を陰陽に分類したことに特徴があります。
易学の陰陽という二元論を演繹的に展開し、体質をやや陽性に整えることが健康長寿につながると桜沢は考えたようです。これは、塩分のとり過ぎに繋がり明らかに間違っています。






 

[陰陽の見分け方]桜沢如一著:『無双原理・易』より引用

 

陰性の食べ物とは、温暖な地方に繁殖する野菜や果実で、例えば
ココナッツ、バナナ、タロイモなど
地上部においては、より高く伸びるもの〈例〉筍
地下部においては、浅く横に伸び四方に広がるもの 〈例〉さつま芋

陽性の食べ物とは
寒冷な地方に繁殖する植物
地下部においては、根が垂直に深くのびるもの〈例〉人参、ゴボウ、

といった具合に食物を陰陽に分類し、病気の症状にあわせてこれは食べたほうが良いとか食べるのを避けた方が良いとこまかく指導をしています。

ということで、
マクロの正食(病気の治療に当たる時の)基礎食品は、主食は、基本は玄米で、麦、粟、稗、蕎麦など

副食は、牛蒡、蓮根、人参、玉ねぎ、キャベツ、カボチャなどお魚は種類によって可です。

食べていけないものは
砂糖、蜂蜜、人口甘味料
酢、化学調味料、マヨネーズなど
獣肉一切、鶏卵、牛乳、青背の魚、赤身の魚

また良くない野菜に
トマト、ピーマン、なす、ジャガイモなどがあげられます。

他にも色々と禁止の食物が並べられています。
筆者も一時、この正食に取り組もうと考えたのですが、あまりにも禁止する食物や調味料が多いので止めました。

現代の栄養学の知見からすれば、例えばミネラルに関してもカリウム、ナトリウム以外にも必要なものもあります。単純に二つで代用するわけにはいきません。
また、実際に健康に百歳を超えたいわゆる百寿者の食事を調査した文献をみますと、ほとんどの百寿者が
好き嫌いなく、肉も魚も卵料理も色々な野菜や果物もしっかりととっているケースが多いです。

ゼン[ZEN]とか易という言葉、響きは西洋人も含めて多くの人を惹きつける魅力を持っているのでしょうが、物事を先入観や世間の評判といった誤った情報に基づき判断してしまうと、大変な結果を招くことがあります。

現代でも難病を患う多くの人が、自分の病気の治療に西洋医学を拒否し、古くから伝わる伝統的な療法や、エビデンスのない怪しい治療法を採用し、助かる命が助からなくなるケースが多くあるように聞いています。

藁にもすがりたい気持ちはわからないでもありませんが、いろいろな誤った見解に囚われず、もの事を正しく自分の目で見ることが必要です。とても難しいことではありますが。
そして常に公正、公平な判断をしてくれるよき助言者、何事も相談できる友人を自分の身近に見出すことも大切なことだと思います。

 

 

 

なお、桜沢如一の思想などについて、もう少し深く学びたいかたには、上記の書物が参考になると思います。

Amazonでもお求めになれます。

 

 

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。