13.魔除けの呪符『セーマンドーマン』 | 開運と幸福人生の案内人/ムー(MU)さんの日記

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幸福の技法

13.魔除けの呪符「セーマンドーマン」

最近の映画や小説で再びブームになったのが、陰陽師のスーパースター安倍晴明公です。

花山天皇の崩御を予知したり、他の陰陽師の術を覆して、反対にこれを倒すなど超常能力を発揮し、人々から敬われ、また恐れられた人物です。


この安倍晴明がつくったとされる魔除けの文様が五芒星☆で、「晴明桔梗印」です。セーマンともいいますが、これは晴明がなまったものでしょう。

京の堀川通り一条上ル、安倍晴明の住居跡に建立された晴明神社の神紋でもあります。お守りやお札にもあしらわれたお馴染みの文様です。

筆者も友人とコロナ前にこの晴明神社を訪れて参拝、ご朱印をいただきました。この神社の近くに再現されているのが、一条戻り橋です。例の安倍晴明の使った式神(しきがみ、筆者は使鬼神と表します。識神ともいいます)が住んでいたとされる場所で、
今でも普通でない霊気を感じるパワースポットです。

話が横道にそれました。セーマンドーマンの話に戻します。
この五芒星は三重県志摩地方の海女さんが安全祈願のために鉢巻きなどにこの文様を付けていることでも有名です。

素潜りでアワビ、サザエなどを獲る海女さんは、すでに万葉集に「あま」という言葉が詠まれています。平安中期の『延喜式』には志摩に“潜女(かづきめ)”がいると書かれています。
このように長い歴史を持つ海女さんの風習がの一つが冒頭の五芒星の文様を身に着けるまじないです。
星型は一筆書きで書けることから「元に戻れる」という安全のおまじないです。
さらに入口や出口が無い星型は“魔物が入り込む隙が無い”として、この印を身につけることで海中に棲む魔物から身を守ったともいわれています。

なお、陰陽道で晴明桔梗印を呪するには、五芒星の真ん中に点を加えて開眼するのが原則とされています。

一方、縦四本と横五本のラインを格子状に書いたものがドーマンです。
ドーマンは修験道でお馴染みの九字(早九字)の呪符です。
日本では古来、魔性のものは、見つめられるのを嫌うと考えられており、縦棒と横棒の交わる部分を「目」ととらえ、目のたくさんあるドーマンが魔除けの有効な呪符となったのでしょう。籠目などと同じですね。

高知県物部村の陰陽道系の民間信仰『いざなぎ流』の太夫(神職)が用いる花笠の裏側にもこのセーマンとドーマンが護符として描かれています。


このドーマンは、『宇治拾遺物語』にも出てくる陰陽師であり、安倍晴明に匹敵する実力をもっていたとされる蘆屋道満(あしやどうまん)の名にちなんだといわれています。この道満はいわゆる民間陰陽師集団の播磨陰陽師の総帥ですね。




     [セーマンドーマン]

 

この晴明と道満の術比べは有名で、のちになりますがこれをモデルとした浄瑠璃がつくられました。通称「葛の葉」、正式の題名は「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ」です。

二人は民間の伝承でも超能力を持った陰陽師として語り継がれ、その能力にあやかろうとして、セーマンドーマンの呪符も人気が高かったのでしょう。

セーマンドーマンは魔除けとしてのご利益は高いので、神社でお守りをいただくか、自分でよく使う道具やタオルに刺繍などして描き、持ち歩いても良いと思います。