イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの名言です。
彼はその卓越した人間の心理描写により、最も優れた英文学の作家といわれます。
彼はその卓越した人間の心理描写により、最も優れた英文学の作家といわれます。
シェイクスピア
シェイクスピアといえば、悲劇『ハムレット』の中で主人公がなげくせりふの『生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ』
が最も良く知られていると思います。
喜劇『お気に召すまま』の中のせりふの
『この世は舞台、人はみな役者』もハムレットの名せりふに劣らず良く知られた名言です。
『この世は舞台、人はみな役者』もハムレットの名せりふに劣らず良く知られた名言です。
『お気に召すまま』(1599)はアーデンの森を舞台に、宮廷を追われた前公爵と家臣の田園牧歌的な生活を背景に、若い男女の恋愛をロマンチックに描いた喜劇です。
冒頭の言葉は、前侯爵ジェイクイズの語るくだりで、原文はもう少し長い文です。
『この世は一つの舞台だ。
すべての男も女も役者にすぎない。
それぞれ舞台に登場しては、消えていく。
人はその時々にいろいろな役を演じるのだ』
すべての男も女も役者にすぎない。
それぞれ舞台に登場しては、消えていく。
人はその時々にいろいろな役を演じるのだ』
All the world’s a stage,
And all the men and women merely players:
They have their exits and their entrances;
And one man in his time plays many parts・・・
舞台で役を演じること
このシェイクスピアの名言にからむエピソードを紹介しましょう。
ある日本の自動車メーカーの開発者に関するお話です。
まだ入社してさほど年数のたたない社員Aさんが、重要な新車開発の
プロジェクトの仕事に抜擢されます。
プロジェクトの仕事に抜擢されます。
ところが、新車開発の中の重要な性能に一つが、設計通りのレベルに達しません。
試作車を作っては実験をし、改良しては再び実験をするの繰り返しですが、失敗の連続。
試作車を作っては実験をし、改良しては再び実験をするの繰り返しですが、失敗の連続。
深夜残業はゆうに及ばず、徹夜が続くことも続いたそうです。
だんだん開発日程の締切りが迫ってきます。
だんだん開発日程の締切りが迫ってきます。
そんな徹夜明けで疲れたAさんが、プロジェクトの先輩に話しかけます。
「精神的にも肉体的にも疲れました。何回やってもうまくいかない。こんな日が一体いつまで続くのでしょうか?」と、弱音を吐いたところ、
「精神的にも肉体的にも疲れました。何回やってもうまくいかない。こんな日が一体いつまで続くのでしょうか?」と、弱音を吐いたところ、
先輩は、「俺たちは、この開発という舞台で、与えられた役をこなしている、いわば役者の一人なのだ。役をまっとうして、こなしていけばいいのさ」
と励ましたそうです。
と励ましたそうです。
Aさんは、重要なプロジェクトの主人公のつもりで、肩に力が入りすぎていたのかもしれません。
そんなAさんを、先輩は、多くの役をこなしている役者の一人にすぎないと諭したのでしょう。
本当の自分でなく、一つの役をこなす役者という考え方に徹すれば、
第三者的に冷静に自分の仕事を見つめ、その役こなすこともできるでしょう。
また、どんなにしんどい役であっても、いずれは舞台を降り、自分本来の姿に戻ることができるのだと、辛抱することも可能でしょう。
第三者的に冷静に自分の仕事を見つめ、その役こなすこともできるでしょう。
また、どんなにしんどい役であっても、いずれは舞台を降り、自分本来の姿に戻ることができるのだと、辛抱することも可能でしょう。
先輩は、おそらくシェイクスピアの
「この世は舞台、人はみな役者」
という言葉を知っていて、うまくアレンジして使ったのだと思います。
「この世は舞台、人はみな役者」
という言葉を知っていて、うまくアレンジして使ったのだと思います。
自分の置かれている立場が辛い時、また与えられた仕事がうまくいかず
悩んでいる時には、この言葉を思い出してください。
悩んでいる時には、この言葉を思い出してください。
「この世は舞台、人はみな役者」
少し楽になる自分を発見できると思いますよ!
