FITC TOKYO MIKIKO先生プレゼンテーション 14/02/16 | Perfume Lab & Love

FITC TOKYO MIKIKO先生プレゼンテーション 14/02/16

要点のみ纏める時間がなく、書き起こしのみなのでなにとぞ・・・

FITC TOKYO 2014というテクノロジー・メディアアート系の国際会議(?)
ここにMIKIKO先生と真鍋大度さんが講演を持った。
まずはMIKIKO先生編。

電通・菅野さんがアシストし、MIKIKOさんから聞き出すという構成。

自己紹介と、今回の講演の内容:

肩書きは演出・振付家 コレオディレクター。
Perfumeの一連の作品制作の裏側とelevenplayの制作過程の紹介と
Technology x Dance によるライブという切り口で新たな作品表現を追求する過程について。

1)Perfumeについて

もともとから振付を担当していた。
MIKIKOさんは広島出身、高校生の時にダンスを始め、20歳で振付をせざるを得ない状況に。
その時小学5年生だった「ぱふゅーむ」と出会う。
当時は週8本のクラスと数十本の振付を担当、過酷な生活を7~8年続けた。

28才で Dress Code という作品を制作。
アミューズの大里会長が観て、演出家として始めた方が良いとアドバイスを得る。
2008年から演出家として、人間の体でいかに表現できるかを追求。
Dress Code では自身も出演したが、これが最後で以後は裏側に回る。

広島から東京へ拠点を移し、ニューヨークに1年半留学。
現地では毎日レッスンと演劇を観る生活。
バレエ、オペラ ジャンルを問わず観て、レポートを書いて日本に提出。
帰国したらPerfumeが売れていたという予期せぬ出来事。
帰国後も演出家として活動目標をたてたが、Perfumeが売れていたことがきっかけで、
CMやPV舞台振付の仕事が多く来た。

Perfumeへの振付と関わり方:
ライブ演出全部とPVのアートワーク、MVの監督を誰にするか などを担当。
3人のことをよく知っている一人がブランディングをしていったほうが良いと言うことになり、
クリエイティブな部分をさせてもらう事になった。

作例: チョコレイト・ディスコ
当時渡米中、関和亮さんとニューヨークからビデオレターでやりとり、
出来上がった作品を観て調整。
音楽は中田さん、MVは関さん、振付はMIKIKOさんと、顔を合わせることなく遠隔、バラバラで制作していた。

作例: コンピューターシティ
関さんがコンピュータプログラミングで制作。
映像イメージは関さんの頭の中で。

作例: 不自然なガール
Perfumeがバックダンサーを従えている。
Perfumeにとっての「不自然さ」とは何か?を考えた時に、バックダンサーを従えている事が不自然だということで。
バックダンサーがコンテンポラリーなダンスを入れる事でPerfumeの振付との対比を明らかにしようという意図。
企画をどう話し合っていくか?パネルを使う事でマスゲームを表現。
後は中身は自由に、関さんは当日起きた出来事を入れたりする。
Perfumeの3人も企画初期には参加している。

ライブ演出の例: edge (横浜アリーナ)
2009年頃から会場が大きくなってきたので、
ステージには3人だけなので、会場の広さを感じさせない演出を。
edgeでは3人の映像を先に撮ってそれにステージ上の3人が動きを合わせている。

これを真鍋大度さんが観て、true コンテンポラリーダンスの公演に招待される。
ライゾマティクスの存在を知るきっかけとなった。
観客として観に行って、初対面なのに真鍋さん、石橋さんとトークショー。
Perfumeとテクノロジーを組み合わせるのに、どのようなことをしたいか、などの質問に対し、
アートとエンターティメントをどう掛け合わせると面白いか、などを知った作品。

Perfumeライブへのライゾマティクスの協力までは暫く期間が空いて、
東京ドームライブの演出から。
3人しかステージに出ないことは決まっていたので、
東京ドームの規模では、テクノロジーを使わないともう一歩上の演出が見せられないと思い、
ライゾマチームに声をかけた。

ライブ演出の例: Perfumeの掟
工業用の3Dカメラで事前に撮った映像から演出。
あ~ちゃんが銃で風船を撃つのはリアルタイムで、本番だけ成功した。
「本番まで成功しなかった場合みんなの緊張感はどういうものだったか」(菅野さん)
非常に危険な橋を渡っている。
これだけメジャーなシーンですごいチャレンジングなことをしている。
リハの段階では割れなかった。非常に危険(な試み)だった。
(それが成功したので)Perfumeは、「持っている」。

ライブ演出の例: JPNツアー
CG作成に TAKCOM が参加し、現在のチームが完成。
三角形がライブのモチーフにあったので三角スクリーンを使う映像。
ただ、最初から三角形があったのでは面白くないのでバラしたものが組み上がっていくシーンに。
三角スクリーンにプロジェクションしていった。TAKCOM はCGへの音ハメの細かさの点で欠かせない。

作例: Spring of Life
田中監督によるMV。(MIKIKO先生自身はPVと言っている)
意外にもアンドロイドなPerfumeを表現したのは初めて。
「近未来テクノポップユニット」として、「アンドロイドっぽいよね」とは言われてきたが、
今ならこういうダイレクトな表現をやっても大丈夫という判断。
光る衣装と画面の映像をライゾマチームに託した。
当時は3人が背負っている電池パックは大きかったのが、だんだん発展してきて、紅白ではかなり軽量化。これに気付くのは相当ファン(笑)。
電池パックのデザインまで凝って作ってくれたので、見えないところまで気を遣っているのはさすがだと思った。
衣装へのリクエストとして、何か面白い、近未来感を出すのには、「光る衣装」はそろそろという判断。

演出例: 氷結ナイト
ホログラフィック演出。透明なフィルムが(ステージ前に)張ってあって
ホログラフィック映像が踊るところから本人が登場。
難しそうな演出として試すことに。
ホログラムなど映像は3人には全く見えていない。
こちらからの提案に、難しい事でもがんばって3人は挑戦。
チーム一丸となって今までやったことのない新しい事に挑戦し続けようという姿勢は、
自分たちも刺激を受けて作り続けないとファンの人にも伝わらないという気持ちが常にある。
一回やったことはやらない。

作例: Perfume Global Site
Perfume本人ではないのにダンスを観るとPerfumeになっている。
ダンスデータを配布、音源と共にデータを解析することで、映像クリエイターが制作できるように。
脱臼しているような映像も(有名な)あったり(笑)、あれは奇跡的な作品でした(爆笑)。
プロには絶対出来ないという。
お相撲山が踊ったりしてもPerfumeっぽくて面白い。
あまり女性らしいラインを使わないように、どんな人が踊ってもいいようにかなり大振りな振付。
お気に入りは?(菅野さん)全部観た。脱臼が一番。上手い方よりも脱臼。
普段作らない方が作品を作るきかっけになったのは良かった。
ファンが参加する窓口を開いた。

大きな話
Spending all my time を世界ツアーのメインテーマとした。
日本語がとにかく少ない珍しい楽曲、MVは田中裕介監督。
田中監督の場合、コンテは事前に全て出来上がっていて、絵を目指して作り込むのみ。
関さんとは対極。関さんのアイデアは頭の中にはあるがライブ感のある映像作り。
カンヌライオンズでの演出は、構成はMIKIKO先生。
衣装が光った後に変形するのが面白いということで。
セリフは菅野薫さん(電通)。「私たちは」から始まりやすい傾向(本人)。
この演出も危ない橋を渡った。
海外に対してのプレゼンで、後にヨーロッパツアーが控えていたが、
日本のファンとつながっていたいという希望があったので、それを表現したいと、
サイトでツイートされたものが衣装に反映される、
日本にいるファンが海外にいる3人を応援していることを表現するプロジェクト。

最近作: ドームツアー
Party Makerのシーン。
3元リフターを使った作品。アップダウンした後独自にも動く。更に横にも行くのが斬新。
リフターの模型を使い、秒数を数えながら大道具チームと調整。同時に映像を発注。
(その時のビデオではリフター模型に乗った3人の人形が落ちたりして会場爆笑)

Pefume以外の取り組み: MV やelevenplay
3年前のelevenplayではダンスが先にあって、エフェクトをライゾマが担当。
昨年のYCAMではライゾマのインスタレーション作品にelevenplayがダンスを加えたもの。
elevenplayなどでの実験からPerfumeの演出に応用。
Pefumeの場合はファンとの関係を重視したつくり。

テクノロジーを使って人間味や体温を引き出せるのは、
作り手側に体温があるから。