この胸のトキメキは・・・
この胸のトキメキは――早朝4時を過ぎたころ、目覚ましが鳴った。眠たい目をこすりながら、しばらく横になったままでいる。ようやく意識が浮かび上がってきた、そのとき。胸の奥が、ぎゅっとする。一瞬、あの人の顔が浮かぶ。恋かもしれない、と思う。けれど、心にそっと問いかけると、どうやら違うらしい。更年期のそ れでもなさそうだ。静かに、心の奥へ潜っていく。――ああ、これは。子どものころの、あの感覚だ。家じゅうの空気がどんよりとしていて、どうすることもできず、ただ一人でじっと耐えていた。家族を守ろうとして、小さな私は必死に平気を装っていた。あの頃の私が、そこにいる。「もう大丈夫だよ」そう呟いて、そっと抱きしめる。静かに涙が流れ、呼吸がゆっくりと深くなっていく。まだ薄暗い部屋で、カーテンを開ける。今日も、新しい一日が始まる。