ネットでこんな一文を拾った。<アメリカに移住した中国人アーティストが帰国時に拘束された事件は、国外に暮らす中国人を震撼させた。十数年前に制作した毛沢東を揶揄する作品が、3年前に新たに施行された法律で罪に当たるとされたからだ。中国の「安全ライン」がどこにあるのか、誰にも分からない>
「アメリカに移住した68歳の中国人芸術家・高兟(カオ・チェン)は先日、北京に帰省した時、中国当局に逮捕された。高兟と弟で同じくアーティストの高強(カオ・チアン)の高氏兄弟が十数年前に制作した『跪いて懺悔する毛沢東』など文化大革命を批判する彫刻作品が、2021年施行の『英雄烈士名誉侵害罪』に当たるとされた。
恐ろしいニュースだ。法律が制定される十数年前に作られた芸術作品に新しい法律が適用され、芸術家を捕まえる根拠になったからだ。これで国外に暮らす中国人の帰国への恐怖は一層深まった。中国人としての『底線(安全ライン)』はどの辺にあるのか、誰も分からない。だからとにかく怖い。
普通の中国人はたとえ国外に移住しても、中国国内にまだ家族が居たり、あるいは帰郷したいなら、中国政府がタブー視する話題をできるだけ公的な場所で話さないように注意する。言論の自由な外国の社会に暮らしていても、中国人としての恐怖心はそのまま一緒に国外に移住する。
それは経済力がある知識層や富裕層も変わらない。東京にある中国人向けの書店を見れば分かるが、政府批判の本や天安門事件に関する本はとにかく置かれていない。中国国外にある中国系出版社も、政府の検閲はないのに自己検閲が習慣になっている。中国政府を不快にするテーマにはできるだけ触れない。家族が、そしていつか自分が帰国する時に面倒に巻き込まれないためだ。
中国人留学生たちももちろん同じ。子供の頃から強制的に愛国教育を受けさせられた彼らは、外国に行っても親からは『政治に関する話題に触れるな』と注意される。理由は『あなたは中国人だから』。」

僕は思った。「在日の中国人からも当局からの命令で、犯罪テロ行為を実行する奴が出て来るかもな。」

また在日朝鮮人もこれと同じ理由で、当局とその手先に監視され、時には日本で犯罪行為を実行するのだろうな。述語をいじらず、主語を換え、それに合わせて説明の文句を換えたらこうなった。

「恐ろしいニュースだ。法律が制定される十数年前に作られた芸術作品に新しい法律が適用され、芸術家を捕まえる根拠になったからだ。これで日本に暮らす朝鮮人の帰国への恐怖は一層深まった。朝鮮人としての『底線(安全ライン)』はどの辺にあるのか、誰も分からない。だからとにかく怖い。
普通の在日朝鮮人はたとえ日本に居住しても、北朝鮮国内にまだ家族が居たり、あるいは帰郷したいなら、北朝鮮政府がタブー視する話題をできるだけ公的な場所で話さないように注意する。言論の自由な外国の社会に暮らしていても、北朝鮮人としての恐怖心はそのまま一緒に日本に居住する。
それは経済力がある知識層や富裕層も変わらない。日本にある朝鮮人向けの出版物を見れば分かるが、政府批判の本や拉致事件に関する本はとにかく置かれていない。日本国内にある朝鮮系出版社も、政府の検閲はないのに自己検閲が習慣になっている。北朝鮮政府を不快にするテーマにはできるだけ触れない。北朝鮮の親族が、そしていつか自分が祖国訪問する時に面倒に巻き込まれないためだ。」

ぴったりハマる。韓国国籍を持つ自称在日朝鮮人で、現在は反ヘイト運動家(笑)の辛淑玉氏はこう述べていた。

「(日本が北朝鮮を叩き潰す戦争を実行して、)日本のミサイルが落ちる先には、ひょっとしたら私の親戚が、あるいは拉致被害者とその子供たちがまだ生きているのかもしれない。そう考えたら私には(『戦争をやって北朝鮮を滅ぼせ』とは)言えない。」(「拉致と日本人」{蓮池透・辛淑玉/著2018刊}より)

これを僕はこう読み替えた。

「『東京の地下鉄にサリンを撒け』『日本人拉致を再開する。その工作員のサポートをしろ』『日本への麻薬や覚醒剤の密輸で、国家予算を捻出する。その保管や輸送を実行せよ』などと北朝鮮政府の代理人・工作員に命じられて拒否したら、ひょっとしたら私の親戚が政治犯収容所か山間部の僻地へ送られてしまうかもしれない。そう考えたら私たち在日朝鮮人には拒否する事は出来ない。」