ブログを書き始めた頃、よく 「香椎君、ブログを書くっておもしろい?」 と聞かれた。

 

 

 「いやー、暇潰しに始めたんだよ」 と私は答えていた。事実そうだったからである。

 

 

(ご参考)

「ブログ(blog)」 とは、Wikipediaによると 『World Wide Web 上のウェブページに、覚え書きや論評などを記すウェブサイトである』 とある。そして 「ブログ(blog)」 という用語は、「WebにLogする」のウェブログ(weblog)の略称であり、その執筆者はブロガー(blogger)と呼ばれる。そのサイトに記されるモノには、私的ニュースサイトや公開日記、個人的な体験記、ニュースや時事問題への意見や論評等が多い。

 

 

 私は2016年の1月からAmebaの無料サイトを使ってブログを始めた。本件投稿が通算315本目の投稿となる。その内容は多岐にわたり、日々の暮らしの中で感じたことが一番多いが、その他に読んだ本や新聞記事の感想、そして40年間観戦を続けているラグビーに関するエッセーなどが中心だ。

 

 

 

( 私のブログのトップページ。背景はAmeba社の既製品。ブログのタイトルからは内容が全く読み取れないが、自身では気に入っている。)

 

 

 

 しかし、書き続けていくうちに、暇潰し以外の楽しみ、面白味をだんだん感じるようになってきた。読んでいただいた方々の反応が見え始めてきたのだ。

 

 

 

 奈良を撮影し続ける映像作家・保山耕一さんについて書いたブログは、読まれたご本人が自身のfacebookで拡散いただいたおかげで、一日7000人を超す方々がアクセスしてきた。びっくりした。SNSの力というか、拡がりの大きさとそのスピードにびっくりしたのだ。

 

 

 

 また、ノンフィクションの 『集団就職・高度経済成長を支えた金の卵たち』 の読書感想を3回連続で投稿した時には、著者の澤宮優さんから直接メールをいただき恐縮した。また私がときどき投稿していた博多ラーメン「赤のれん」に関するブログを読んだ西日本新聞社・小川祥平記者には、同社が出版した 『ラーメン記者、九州をすする!』 で私の投稿を取り上げていただいたこともあった。

 

 

 

 私はよく高校のラグビー部や野球部のブログも書く。高校の部活動に関するブログを書くと、現役の生徒のみならずOBの方々まで拡散されて、多くの方々に読んでいただけることを知った。もちろんその高校の部活動の素晴らしさを書いたものだが、ラグビーでは静岡県立清水南高校埼玉県立浦和高校福岡県立浮羽究真館高校、栃木県の私立佐野日大高校等を取り上げた。野球では昨年秋の九州大会を制した長崎県立大崎高校に関するブログを投稿したら、延べ1万人を超す方々に読んでいただいた。すなおに嬉しい。

 

 

 

( 自分のブログへのアクセス数やコメント等について確認できる。最近は一日100件前後のアクセスがある。)

 

 

 

 さて1か月ほど前、facebookでつながっている大学時代の友人との間で、「ブログ」の目的についての話題が出て、ネット上で交換した。

 

 

 その中で私は投稿の目的について、次のように書き込んだ。

 

 

『僕の場合は ”元気にしていますよ” という勝手な安否発信が3割、リタイア後の暇潰しと ”発信している” という自己満足をあわせて3割、残り4割は真摯に欠かさず読んでくださる人がいるからかな。毎週毎週 「いいね」をクリックすることで 「読んだよ」 と伝えてくれる見ず知らずのフォロワーが一番気になるよ』

 

 

 じつはシステム上、私のブログを読んだ人は誰でも、「いいね」をクリックできる訳ではない。読んだ後の、受容・拒否・・・さまざまな反応を私宛に送ることのできない方々が、大半だということを忘れてはならないと常々考えている。

 

 

 

( 直近1週間のアクセス上位5件。最上位の『「74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる」を読む』は、投稿後5カ月経ってもアクセスが多い。この本自体も5万部を超え、よく売れているらしい。)

 

 

 

 ある友人からは、『知らない人のコメントや”いいね”は確かに気になるし、うれしいかも・・・』 とコメントがあった。また自身もブログを投稿している友人からは、『友人が飲み会では見せない真摯な面をブログに出していたりする。そうしたことを知るのは楽しみだ』 というコメントもあった。

 

 

 

 じつは5月に入って、私のブログを読んでいただいたまったく知らない方から、コメントが2つ届いた。ふだんコメントを書き込んでいただくことが少ないので、さっそく読ませてもらった。2つとも嬉しいコメントだった。

 

 

 

ひとつは今年4月30日に投稿したばかりのブログへのコメントだった。 (注:以下、枠内をクリックすれば当該ブログが開きます)

 

 

 

 (コメント) 『 はじまして、福岡国際マラソンの記事、同じ思い出があるので書かせてもらいます。現在は福岡市在住ですが、転勤があるサラリーマン生活36年のうち3分の1が、横浜、千葉船橋、大阪と九州以外です。福岡出身の妻と幼児2人を連れて九州から横浜へ。初めて旧友がいない大都会での生活となった妻。マラソン中継のテレビに映る福岡の街の景色に、夫婦で大はしゃぎしてました。またそれから10年、大阪に単身赴任中の私は、早良区の沿道に住む家族が、藤崎近くの交差点で応援している姿をテレビ越しに見ました。福岡国際マラソンが無くなるの、ほんと残念ですね』

 
 
 
 このコメントをしていただいたKHさんも、調べたら自分のブログを持っておられた。そのプロフィールを拝見すると私より14歳若い方だった。私は同じような経験をお持ちで、”福岡の風物詩になっていた福岡国際マラソンが無くなることへの思いを共有し、共感していただいたこと” が嬉しくなり、すぐ返信した。
 
 
 
 (返信) 『HKさん、いただいたコメントを読ませていただき、このブログを書いた甲斐があったなあと思いました。私の目の前に座っている博多出身の妻にも読ませました。私たち夫婦もレースそのものよりも、テレビに映る博多の街並みの映像の方が毎年楽しみでした。50年前、結婚直後でカネもなく、ただ一品ずつしか注文しなかったのに、マラソンが終わるまでテレビを見せてくれたお好み焼き屋のご主人に今も感謝しています。うれしいコメントありがとうございました』

 

 

 

コメントをいただいたもうひとつは、4年前の2017年8月23日に投稿した下記ブログだった。

 

 

 (コメント) 『実家の父が亡くなり、自分達のルーツを調べていくうちに井上延陵さんに行き着きました!! 私は弟?の子孫です。彼は多分、長男。当時は豆腐屋だったとか呉服屋だったとかいう娘との間に生まれたのが八郎さん。後の延陵です。15歳で延岡を飛び出した彼と、幕末、明治と武士として西南の役に従軍、すっかり落ちぶれた井上一家!?。ついには、奉公人の実家に身を寄せたご先祖様。でも、延陵さんの生き方は素敵。我が家の自慢です。浜松の東照宮も今やパワースポット。誇りに思っています。』

 
 
 なんと私が友人の薦めで4年前に読んだ本の主人公・井上八郎清虎(延陵)の弟のご子孫からのコメントだった。私はこのコメントを書き込んでくださったKTさんにすぐ返信した。
 

 

 (返信) 「この本を紹介してくれた延岡高校出身の友人にも、井上延陵さんと血のつながった方からコメントいただきましたと伝えておきます。井上延陵さんという素晴らしい人物が、宮崎・延岡にいたことを少しでも”吹聴”できたとすれば、隣県・鹿児島の人間として嬉しいです。」

 
 
 
( 近くの公園に咲く「さつき」 )

 

 

 

 私は、読む人の意見が分かれるような政治的、思想的テーマについてはあえて書かないことにしている。見ず知らずの人とネット上でそうした意見交換をするのは性に合わないのだ。

 

 

 

 だからと言って穏やかな平和な楽しい題材だけを選んで書いている訳でもない。たまに辛いテーマを書く時もある。その中で投稿以来ずっと気になっているブログがある。上に添付した直近の週間アクセスランキングで第4位に上がっている、2019年4月25日に投稿した下記ブログだ。

 

 

 

 

 博士課程で学んだものの安定した職業に就けない若い研究者について書いたものだが、このブログには投稿以来2年が経過しても、アクセスが途絶えることがない。「他人事とは思えない」といった現役の研究者やご家族、友人らがアクセスされているのだろうか・・・と考えると辛い気持ちになる。私の娘たちと同じ世代の方々が多いのも辛い問題だ。

 

 

 

 さて、ブログを始めた頃、書きたいなと思っていた思い出や昔の出来事はほとんど書き終えた。大好きなラグビーもコロナ禍で観戦が難しく、ラグビーの素晴らしさを生で感じる機会が無くなった。最近は本を読む体力や視力だけでなく、気力も少し衰えてきた感じがする。

 

 

 

 これからは日常の小さな感動や気付きの中で、皆さんと共有し共感しあえるものがあったら発信していきたいと思っている。

 

 

 

( すっかり緑が濃くなってきた。これも近くの公園の「なつつばき(シャラノキ)」 )