環境とエネルギーを考える

汚染地図の最新版です(群馬大早川由紀夫教授作成)。詳しい図は→。汚染地図三訂版

これを見ると、福島市南西の安達太良山から那須-高原山-日光にかけての山岳地帯が高濃度に汚染されていることがわかります。


下の図は日本の植生図です↓

環境とエネルギーを考える


ちょうど汚染されている山地は、この図の緑色の部分にあたり、ここは冷温帯落葉広葉樹林(ブナ林)になります。


ブナ林は、ヨーロッパや北米にも分布しますが、とりわけ日本のブナ林は第三紀に北極周辺で栄えた古いタイプの植物が多く、日本列島の植物群をおそろしく多様なものにしています。日本のブナ林は1億年近い時間をかけて形成された植生なのです。

原発事故は、自然界に存在しなかった放射性ヨウ素、セシウムなどを大量にばら撒きました。生物は、自然界にある放射性カリウム、ラジウムなどは比較的早く体外に排出するように進化してきましたが、人工の放射性物質の適応を知らず、体内に蓄積してしまう傾向にあります。先日の記事にも書いたように、空気中では非常に低濃度でもも、体内では激しく濃縮し、突然変異を起こします。

今回のような高濃度の汚染では、何千万年もかけて形成されたブナ林の植物の遺伝子が破壊されると思われます(遺伝子資源の破壊)。

私は、日本文化(伝統文化だけでない)や日本の高度な技術の根源は自然の多様性にあると考えています。原発事故は日本人の(人類の?)最も大切な基盤を脅かす犯罪であると思います。


*私は生物学が専門ではないためやや漠然とした文章になってしまいました。遺伝学などもう少し勉強したいと思います。