HCUは個室、と言われたけど
部屋の三方向は壁だけど足側はオープンで、そこは通路になっていて看護師さんが各部屋行き来していたと思う
ずっと寝てて部屋の形を見たわけじゃないので音だけの推測だけど
ナースコールと他の患者さんの声と看護師さんの忙しそうな足音が筒抜けだったから
傷が痛くて仰向けは絶対無理で、横向きならギリギリ耐えられるかな、ぐらい
癒着防止(?)だとかで定時で看護師さんが二人がかりで体位を逆向きにひっくり返す
もちろんその度に激痛
枕をいくつも背中や足に挟んでお腹が伸びないベストポジションを探してもらう
陣痛と違って波がない。ずーっと同じレベルで痛い。
陣痛は本能で耐えられるように体に備わってるけど、腹を切り裂いた痛みに耐えるように人の体はできていない
例の10のうちいくつですか?の質問を体位を変えるたびにされる
10です、って言うと「まだですか?」って返される
普通はもう治まってくるの?痛み止め入ってるの?ってくらいずっと痛い
初対面のお医者さんが様子を見にきて、仰向けになれますか?と言われる
嫌だけど従うしかない、「いーたーいー」と言いながらゆっくりお腹を向けたら
先生が傷の場所をチョンと触った
その瞬間お腹が雷に打たれたような痛みの電流が走って
「きゃあっっ!!」と声が出た
生まれて初めて味わう種類の痛み
ピンチなのにまた性懲りもなく、年取って声低くなったけど私まだこんな声出たんだ。きゃあなんて初めて言ったわーとも思ってる
「え、そんなにですか」と驚く先生
「さっきからこんな感じなんですよ」とやや冷たい声の看護師さん
二人の間に漂う、この人大袈裟じゃない?という空気
患者なのにアウェイ。つらい。
嘘じゃないもん、雷走ったもん(トトロいたんだもん、のメイちゃんの声で脳内再生してください)
とも言えずじっと耐える
HCUでも確か消灯があって、暗くなったら隣の部屋の様子が変わってきた
日本の高齢化社会の縮図をまさかここでも見ることになるとは思いませんでした
つづく
夏休みが終わり、自分の時間がないストレスからの逃避でスマホをいじってた時間が減ったのでここからゆっくり更新していきます。気長にお付き合い下さい。