放射線後、夫の腰の痛みはというとまったく治まらなかった。

 ただ、痛みの種類は変わった。

 というより、日によって痛み方が違う、という感じ。寝ているときは大丈夫で座るとキツいときもあれば、横になっている方が痛むときもある。

 

 2026年9月29日、アムルビシン第10コース初日。

 9月29日~10月1日まで第10コース、10月2日はジーラスタ投与となる。

 

 歩くのも大変そうだったので、病院まで送っていった。

 夫が『ナルラピド錠』をもらったものの痛みが全く治まらないことを話すと、新しく『ナルサス錠』をくれたそうだ。

 これもヒドロモルフォン塩酸塩なので、つまりモルヒネの改良品。ナルラピド錠と違うのは、即効性ではなく持続性の効果があるもの。1日1錠飲み、辛い時にナルラピド錠を飲むらしい。

 

 合わせて、久しぶりに薬メモも貰ってきた。前にオキノーム散を飲むときに書いていたもので、何時に薬を飲んだか、そのときの痛みの度合いはどうだったかを記録するためのもの。

 

 現在、夫が飲んでいる鎮痛系の薬は以下の通り。

 ・タリージェ錠5mg:1日2回(12時間ごと)

 ・カロナール錠500:1日3回・食後

 ・ナルサス錠2mg:1日1回

 ・ナルラピド錠1mg:痛いときに飲む/1時間は空ける

 

 ……多いな……書いてみると……。

 まぁとにかく、何をどれぐらい飲めば継続して痛みを抑えることができるのか、を改めて調べるために、記録をとることになったらしい。

 

 それと、コルセットについても夫の方から先生に聞いてもらった。

 腰が動くと痛いようなので、とりあえずたまたま前に買ってあった腹巻きをしてみたのだが、何もしないよりは少しマシになったらしい(気休め程度だけど)。

 コルセットなどで腰をがっちり固定した方が痛みは和らぎそうなのだが、それをやっていいのか、またコルセットは病院で作った方がいいのか、などを質問したのだ。

 

 その答えはというと、市販のもので構わない、とのこと。

 ただしあまり安物を買うと腹巻きと変わらないのでちゃんとしたものを買った方がいい。

 スポーツ用品店などに『サポーター』として売っているはず、とのことだった。

 

 帰りに早速スポーツ用品店に寄り、夫の体形に合ったサポーターを買ってきた。だいたい8000円ほど。

 ドラッグストアにもサポーター自体はあるのだが、スポーツ用品店の方がサイズや種類が豊富。夫の場合、ふくよか(笑)なのでスポーツ用品店じゃないと多分ダメだったと思う。

 

 サポーターをしてみると、椅子から立ち上がったりする動作がかなり楽になったようだ。

 それでもやはり痛みは続いている。結局ナルラピド錠は1日3回ほど飲んでいる。

 担当医によると今は不安定な時期なので、痛みは仕方がないらしい。癌を壊して、新しく正常な骨が作られれば治まってくるとのこと。

 それまで、痛みを感じるような無理はせずに、じっと耐えるしかない。

「がんばってください」

と言われたそうだ。

 

 いま、夫の体の中ではきっと癌細胞がやっつけられているのだ。

 そうに違いない、と信じて夫は痛みに耐えている。

 

 第10コースの3日間はずっと病院までの送り迎えをした。

 病院内には入らなかったが、遠くから歩いてくる夫の姿勢を確認するのにはちょうどよかった。

 ゆっくりではあるが、ちゃんと歩いている。変に体が傾くこともなく、足がおぼつかない、というようなこともない。

 きっと、その足取りと同じように腰椎の骨も少しずつ良い方向に向かっているに違いない。 

 

 そして本日、10月2日。ジーラスタ投与。

 それが終わり診察室から出たところ、担当医ではないもう一人の泌尿器科の先生に話しかけられたそうだ。

 何でも、某国立大学に出張したときに前の担当医と会ったらしい。

 2024年12月に前立腺小細胞癌が発覚して、その後一次化学療法が終わる2025年3月まで診てくれていた先生だ。

 

 その前の担当医の先生が、夫のことをかなり心配していたそうだ。今どうしているだろうか、と聞かれたので現状を話した、とその先生は言っていた。

 余命について夫が尋ねたとき、「年単位での保証はできません」と言っていた先生だ。まだ生きているのか気になってもそりゃあ仕方がない。

 

 そういえば、夫はその先生に「前立腺小細胞癌患者の余命の最高記録を作る」と宣言していたんだった。「達成したら自分で論文を書いてくれ」とも。

 最高は5年ほどだそうなので(注:あくまで前担当医が知る範囲での話です)、6年以上生きれば記録達成だ。

 6年……2030年12月。おお、分かりやすくキリがいい。

 

 勿論、もっともっとそれより長く生きてほしい。

 だけどとりあえずは、2030年を目指して頑張る夫と一緒に一歩ずつ前に進んでいきたいと思う。