かたつむりというお芝居でご一緒した駒塚由衣さんが出演する
いんげん」という舞台を見に行きました。

奇跡的に突然一日のお休みが貰えたので、
ご迷惑を省みず朝から本番を控えた女優さんにメールを。

いや、やらなきゃいけないことは山積みなんですけどね。
闇の皇太子の原作読んだり、テレビのお仕事のこと考えたり。
それはまあ、夜でもできるし、お芝居見るのもお勉強と。

平日のマチネだから空いてるのではないかと失礼なことを考えていたら、
大好評につき売り止めとのこと。

それでも日々キャンセルがでるので
良ければそれを待ってみては?という提案に従って、新宿に向かいます。

時間はあったので、本当に久々にショウヘイのつけ麺を食べました。


ここは大昔に新宿村というスタジオ(稽古場)に二年間ほど通っていた頃、
よく来た中華料理屋さんです。

その当時は場末の中華料理屋さんって感じでしたが(失礼)いろいろ美味しくて、
今みたいにブームになるまえからつけ麺も美味しいメニューの一つでした。

今ではきれいになってますが当時と変わらぬお客さんの入りでした。
ここ、確か「若者のすべて」?ってドラマで
木村拓哉氏がバイトしてる設定のお店だったんですよね。

つけ麺は相変わらずあっさり味で美味しかったですが、
昔は平うち麺だった気がします。そこが変わってましたね。
麺はつけ麺用の特別なものだと店内に書いてありましたが。


さて「いんげん」です。
無事にチケットも取って戴けて、じっくり見させて貰いました。


良い芝居でした。


たぶんまだ公演中だと思いますので、
あらすじなんかは書けませんが、
メモ代わりみたいに感想を。

若松武史さんカッコいい。
相変わらずの存在感。

若松武史さんを初めて知ったのは
「エンジェル・ダスト」という映画でした。
まだ若松武、名義の頃ですね。

残念ながら、
若松さんのWikipedia内のお仕事一覧に記述がありませんし、
Wikipedia内にこの映画の記事がありませんが、
なかなか不気味で面白い映画でした。

なんて凄みのある俳優さんなんだろう。
若い頃の僕はそう思いました。


テレビや映画の若松さんは寡黙な役が多い印象でしたが
今回の若松さんはかなり饒舌に演じてらっしゃいました。


全体的な感想としては、戦場に駆り出された男達と、
国内で変わりゆく敗戦後の日本を生きる男達の対比。

その男達にすがりつく女達。

男達の喪失感がすごく見えていて、
「ああ、この人達は、日本という国を寝取られたんだなあ」
と感じました。

戦争という大事があっても、
沢山の人が理不尽に死んでも、
彼ら(彼女たち)は生きているし、
生きていかなければならないし、
生身の肉なんだなあと。

もちろん、お芝居でのオハナシですけど、
リアルに戦争とか敗戦を考えると
そこに生きている人たちの
日常とか、生活は
こんな猥雑さがつきまとってたんじゃないかと、
リアリティがありました。

駒塚さんはご本人曰く初めてチャレンジするような
いわゆるその当時で言う、「パン助」な役でしたが、
素敵でしたよ。

ああいう女の人ってステレオタイプだと
汚れててやさぐれててって感じなんでしょうけど

明るくて、
元気で、
現金で、
強くて、
無知で、
可愛らしくて。

たくましく「生きている」感じがしました。
先輩にこんな偉そうな感想すごく失礼かもしれませんけど。

小さな小屋で短い芝居でしたけど、
久しぶりに骨太なお芝居をみたなあと思いました。



僕は夕方には家に帰って、
前の舞台以来伸ばしっぱなしだった髪を少し切りました。