「肥満」と言えば、きっと、「体が重たくなった」「体重が増えた」「下っ腹がでてきた」「ズボンのウエストがきつくなった」「顔がまるくなった」・・・・こんな感じの事をお考えではないでしょうか。でも、一言で「肥満」と言っても、太っただけで済ませないでください。肥満とは単に体重が多いことではありません。
ほとんどの人にとって、太っているという状態はすぐにわかります。しかし医学的には「体重過多」と「肥満」は区別されます。体格指数(BMI)がこういった状態の定義に使用されます。BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。体重過多はBMI値25.1~29.9、肥満はBMI値 30以上と定義されます。
肥満の定義には、脂肪と筋肉の比率も考慮されます。体脂肪30%超の女性と体脂肪25%超の男性は肥満とみなされます(脂肪と筋肉を含む体の組成を参照)。したがって、ボディービルをやっているなど、非常に筋肉質で体脂肪が少ない人の場合は、BMI値が高くても肥満ではなく、健康上の危険はありません。
厳密には、肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態のことをいうのです。肥満は、恐ろしい成人病。今では生活習慣病と言われる、命にかかわる「高血圧・糖尿病・脳卒中、高脂血症」のもとになっているのです。体にさまざまな、負担がかかり合併症のもとになります。単に太っているだけの肥満から、高血圧や糖尿病など他の病気を合併し、治療が必要になってしまうと「肥満」が「肥満症」になってしまうんですよ。現在、太っているだけの肥満がもとで健康を損なうリスクがとても大きい事を知っていて下さい。
■肥満の症状
肥満だと、特に激しく動かなくても呼吸が苦しく、肥満外来治療 すぐに息切れがします。これは、胸部と腹部を分ける横隔膜の下と胸壁に脂肪が蓄積して、肺が圧迫されるからです。さらに、のどの内壁を覆う組織に脂肪が蓄積すると、気道が狭くなり、空気の流量が減少します。あお向けに寝ると、呼吸がさらに困難になります。呼吸がしにくいとよく眠れなくなり、呼吸が瞬間的に繰り返し止まることもあります(睡眠時無呼吸(睡眠障害: 睡眠時無呼吸症候群を参照)と呼ばれる状態)。睡眠時無呼吸があると、昼間に眠気を覚え、高血圧や脳卒中など他の障害が起こります。
肥満の人は体重に対して体の表面積が比較的少ないため、効果的に体温を放出できず、やせた人より汗をかきます。皮膚が折り重なって湿り気が閉じこめられるため、皮膚疾患がよくみられます。
体脂肪が過剰に蓄積すると、全身の見た目が変わります。重度の肥満になると、体が重いために奇妙な歩き方になります。脚と脚の間が広がって歩き方が安定せず、関節が圧迫されます。その結果、腰、ひざ、足首などに変形性関節症が生じ、さらに悪化して歩行がいっそう困難になります。腰痛も起こります。疲労感が常にあります。疲れやすい、歩けないなどの問題により、体を動かさなくなり、日常的な運動量も減少します。足や足首に体液が蓄積し、しばしば浮腫と呼ばれる状態になります。
また、肥満によって、さまざまな病気になる危険性が高くなります。たとえば、心臓に負担がかかるため、肥満の人には心不全が起こりやすくなります。また、女性の場合は乳癌、子宮癌、卵巣癌、男性の場合は結腸癌、直腸癌、前立腺癌が、肥満している人に多くみられます。月経異常、変形性関節症、痛風、胆嚢(たんのう)の病気もよくみられます。
病気になるリスクは、脂肪が溜まる位置によって異なりますが、男性と閉経後の女性の場合は、腹部臓器に脂肪が蓄積しがちで(内臓肥満)、リンゴ型の体形になります。女性の場合は、太ももと腰に脂肪が蓄積しがちで、洋ナシ型の体形になります。内臓肥満は、冠動脈疾患、脳卒中、高血圧症、2型糖尿病、コレステロール高値に関連しています。内臓肥満の人は、自分の体重の5~10%程度を減らしただけで、セクハラ画像 このような病気になるリスクが劇的に減少します。さらに、高血圧症の人の大半で血圧が下がり、2型糖尿病の人の半数以上が、インスリンなど血糖降下薬をやめることができます。体重を減らし、低脂肪の食事に変えることで、血液中の脂肪を減らすことができます。
脂肪は早死にするリスクを2~3倍に高めます。肥満が重度であればあるほど、そのリスクが高くなります。米国では、年間30万もの人が肥満が原因で死亡しています。